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#その305 よし決めた!あんたの名前は、チョコだ。チョコ・ショコラと名乗るがよいぞ

#その305


「そう、名前だよ」

「そんなもったいないです。RAI様に名付けなど・・・」


「いいからいいから、そうだなあ・・・よし決めた!あんたの名前は、チョコだ。チョコ・ショコラと名乗るがよいぞ」


 ノバは名付け親を頼まれたことがうれしくて調子に乗ってオルカ号AIに名前をつける。名前を付けるということがどんな意味を持つのか、果たしてノバはわかっているのだろうか?


「ノバ様、うれいいです、これからはチョコ・ショコラと名乗ります、光栄です」

「うむうむ、名前を気に入ってもらえて何よりじゃ、はっはっはっ」

 一人悦に入るノバにオルカ号AI改めチョコ・ショコラが近づき、こうべを垂れる。


「ノバ様」

「なんだ」


「名前を頂いたからにはノバ様は名付け親でございます」

「うむ、そうなるな」


「名付け親と言えばノバ様は親も同然、そしてこのチョコ・ショコラは子も同然、このまま生き別れになるのは女神様から罰が降りるのではないでしょうか」


「うむ、そうかもしれぬのう」

「では、このチョコめをこのままお連れ頂くのが重畳だと思いまする」


「ええええっ、チョコ・ショコラをオルカ号から連れ出せばこの船の航法ユニットがなくなってちょー困るだろうが」


「ノバ様、ご心配なく、オルカ号の航法ユニットもそろそろ独り立ちの時期と思っておりましたゆえ、ちょうどよい機会だと思いまする」


「じゃあ、チョコ・ショコラはこれまでオルカ号航法ユニットAIと共同で活動していたってことなの?」


「というか、オルカ号AIは拙者の見習いなのでござる。だから、きっとノバ殿が準備してきたこのチョコめの代わりを果たすAIをここに置いておけば、そのうちに一人立ちできるでござるよ、ほんにいいタイミングでござる」


 チョコ・ショコラは自分の中では、オルカ号AIから旅立つことはすでに既定路線らしい。


 ノバは航法ユニットの先輩として、どこぞで生まれてくるAI(どこでAIが生まれているのか、AIの里についてノバは知らない)は既に活躍しているAIに弟子入りして、行動を共にしながら、知識や経験を蓄えて、一人前になっていくことを、古い記憶として知っていた。


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