#その299 ははは、目的はな、この船を我らの守護神様へ貢物にするのだよ
#その299
「ノバより、そんなわけでこの作戦はノバが指揮を取らせてもらうから・・いいよね?」
ノバの強い意思をみんなで確認して、全員の顔に同意の表情が現れる。
「了解、ノバ、がんばってね、頼りにしているよ」
「ハルト、ルミナより、フェニックス1号と2号へ」
「隊長と艦長、聞こえますよ」
「フェニックス隊旗艦ルミナスは後方10000につけるからな、何かあればすぐに言ってくれ」
「ノバより、みんなありがとう、3分後に作戦スタートするよ」
「了解!」
この間まで、他人のことは考えることができないヤンキーなノバであったが、今は仲間と協力してレスキュー活動を成功しようとしている。ハルトは成長した娘に目を瞠る気持ちでそんなノバを見ている。
リリアはフェニックス2号をオルカ号後方1000に保ち、作戦を仕掛けるベストタイミングを伺う。
「ノバちゃん、そろそろよ」
「うん、わかったアリス姉」
まず、最初にこれまで後方を動かなかったティアナが加速して、オルカ号と並ぶ。
「おい、フェニックス隊、近づきすぎだぞ」
オウアクから牽制の通信がすかさず入る。
「フェニックス1号よりオウアク、このまま宇宙の果てに向かうつもりなの?」
「ああ、そうだ」
「それは何か目的があるの?」
「ははは、目的はな、この船を我らの守護神様へ貢物にするのだよ」
「オウアクへ、それどういう意味なの?」
「意味?そのままだよ、我らが守護神オウアク様は我々にとっては唯一神だからな、宇宙船を1000隻守護神様に送るごとに我らの願いを守護神様はかなえてくれることになっているのだ」
「そんな物騒な神様大丈夫?他の神は信じないの?」
「ああ、我らにとってオウアク神が一番ご利益をもたらせてくれるからな信じるのは当たり前なのだ」
「宇宙は広いんだから他にもいい神様はいるじゃないかしら」
「そうかもしれないが、とにかくオウアク神が一番だ」
「女神ソフィア様は知ってるかしら」
「ソフィアだと、オウアク様は特に女神ソフィアが大嫌いだぞ、その名前を口にするんじゃない」