#その287 今日もいい航海日和だな
#その287
惑星エリアスはたまたまこの惑星を訪れていた宇宙戦艦ルミナスとその仲間たちの活躍により、オウアクと縁を切ることができた。そして、エリオット国王はルミナスの基地になると同時にスペースレスキュー隊フェニックスを承認する。
その後は、進歩的国王エリオットのもと、もともと連邦政府の惑星支部や宇宙軍の士官学校が惑星エリアスにすでに存在していたこともあり、この星にはさらに優秀な人材が集まりつつある。
フェニックス隊の基地があることは一応秘密なのであるが、これはもう公然の秘密というやつで、フェニックスベースのおかげで惑星エリアスは宇宙で一番安全な惑星と人々の間で囁かれているようだ。
宇宙一安全なエリアスには当然多くの市民が集まり生活を営んでおり、商業地域も急速に広がっている。
今では、惑星エルリシアとルクレアを行き来する宇宙船は単発の金持ちが運航する宇宙船や宇宙軍所属艦ばかりでなく、定期航路も開設されている。
惑星ルクレアでは人口の少なさ?を活かした宇宙レースが開催されることもある。それも週末に開催されることもあるので、多くの宇宙ファンが観戦に訪れる。
そんなエリシア・ルクレア間定期航路に就航するフェリーが今日も惑星エリシアに向けて順調に航行している。この船を任されている船長サイトは、無事の航海を祈って口癖のように四六時中決まった言葉をつぶやく。
「今日もいい航海日和だな。」
今年で41歳になる船長サイトは、エリシアの政府政庁がセレスタワーに移転するまではずっと惑星エリシアを母港とする宇宙船で機関長をやっていた。
そのおかげでエリシアについてはたいへん詳しい。惑星エリシアは今ではこのあたり最大の貿易港として発展しており、豊富な海外貿易品や宇宙からの輸入品がエリシアに運び込まれ、またエリシアから輸出されている。
今は惑星エリシアと惑星ルクレアを結ぶ定期航路に就航している惑星連絡間エリルクフェリー オルカ号の船長だ。
オルカ号は全長100、2基のプラズマエンジンにプラズマジェネレータを備えている。航法ユニットを装備しているので、インターワープを航行できる。
乗船定員は惑星内航行では最大100名、インターワープを経由する惑星間航行の際は50名としている。オルカ号はIW航行ができることが強みであり、おかげさまでいつも満席、キャンセル待ちがでるほどの運航をしている。
料金はエリシア⇔ルクレア間であっても、一般庶民では一生かかっても払うことができない高額である。