#その286 その気(とお金と時間)があれば(誰でも)隣の惑星に出向くことができる
#その286
今のところ、ノバやチョコのような覚醒したRAIやAIは特別な存在であり、この二人の活躍により、もっと多くの航法ユニットや他のRAIをレスキューすることはフェニックス隊の隠れた目的の一つでもある。
それはさておき、インターワープの通行が可能になった当初、その惑星が持てる全ての科学力と技術力を投入して宇宙船を飛ばしたものだ。
自分の惑星周辺を探査することがやっとのところにいきなり、惑星間航行の可能性が出てきたのである。最初は事故も多く、インターワープを潜り抜けることができるのは、ギャンブルと同じくらい危険であったのは確かだ。
だが、先人たちのチャレンジ精神により、徐々に宇宙飛行から宇宙旅行、やがて惑星間航行も定期旅客宇宙船が運航されるにつけ、割と気軽に星々を往来できるようになる。
惑星エリシアからもインターワープ3を経由して、惑星ルクレアやその先にある惑星アルメリアに向かうようになる。惑星ルクレアは砂漠の地域がほとんどの砂の星であるが、こうした場所にはレアメタルなどの貴重な金属が発見されることもあり、今ではそれなりに交流が生まれている。
惑星ルクレアそのものはまだ居住するにはためらう星であるが、出入り口であるインターワープステーション3ベータやIWS2アルファは貿易交流拠点としてけっこう盛っている。
このようにしてインターワープを介して各惑星系はお互いに交流をもつことになる。昔であれば、知的生命体が生活する遠くの惑星は{宇宙人}と呼ばれて、いるかいないのかも定かでなく、{宇宙人}=侵略者と思われていた時代も長かったのである。
それが今や惑星間航行宇宙船は定期的に運行されており、その気(とお金と時間)があれば(誰でも)隣の惑星に出向くことができる時代になりつつある。
惑星エリシアと惑星ルクレア間にも惑星間連絡フェリーが運航されており、割と手軽に行き来することができるようになっている。うわさによれば惑星ルクレアを牛耳っていた大統領が行方不明になって以来、一獲千金を狙う宇宙旅行者がかなり移住しているようだ。
惑星エリシアは悪の組織オウアクの暗躍により、存亡の危機に瀕した。実はオウアクの実体はまだ解明されていない。
組織の目的や規模、精神的主柱を持っているのか、技術力はどの程度なのか、全貌は全くわかっていない。今のところ、大艦隊でエリシアに押し寄せて、実力行使をするようなそぶりはない。
数隻の戦艦を派遣して、その惑星の中枢を支配する程度である。国王など国の代表者を密かに操ってしまうので、一般国民は支配されていることすら気が付いていない場合もありそうだ。
この正体不明の組織オウアクから惑星や宇宙船をレスキューすることは女神ソフィア様との会話から考えてもフェニックス隊にとっては大きな目的となっている。