#その285 #任務3 オルカ号がオウアクに襲われ、船長サイトは窮地に陥る
#その285
#任務3 オルカ号がオウアクに襲われ、船長サイトは窮地に陥る
任務3は惑星間宇宙フェリーに爆発物が仕掛けられる。止まったら爆発する仕組だ。レスキュー隊が出動して助ける物語だ。
インターワープの存在が認知されると遠く離れた惑星間の交流が盛んにおこなわれるようになるのはごく自然の成り行きだろう。
フレア系第5番惑星エリシアなどと自称していたころは、自分の星以外に人らしき生物が住んでいることは可能性としてあっても、永い宇宙時間の中で生存期間が一致する確率はそれこそ星と星とがぶつかりあう確率程度に低く、あったら驚くがまあないだろうとの暗黙の了解の中、スクリーンの中だけの存在する物語であった。
だが、ある時、インターワープが発見される。それも今はルクレアと称する他星系の惑星から偶然IWをくぐって惑星エリシアにたどり着いた別惑星の人類が発見されたことで大騒ぎになる。
エリシア人にとって最初のルクレア星人は、ごく簡単な構造のスペースポッドに入って、今のインターワープステーション3アルファ付近を漂流していたところを運よく発見救助されたのだ。
最初のルクレア人はスペースパイロットであったので、いわゆる宇宙地図をある程度記憶していた。そこで、エリシアが持つ記録とていねいにすり合わせて解析したところ、インターワープの存在が発見されたのだ。
そこが宇宙の不思議さである。そこにインターワープがあることがエリシアとルクレアの住民たちに認知されると、急にその存在をはっきりと表すことになる。
宇宙空間では認知しなければ、なにも存在しないなどと哲学的に囁かれていた時代もあるが、インターワープクラスの存在認知もその原則に従うとは誰も夢にも思わなかったであろう。
インターワープの向こうには惑星ルクレアというエリシアから見れば異星人になるが、宝の山があるように見える。
これはルクレアにとっても同じ考えのようで、最初は無人の宇宙船をなんとか相手に届けたいと双方の全文明力を投入して、技術開発に没頭する。そして、インターワープを通過するには特殊なキーが必要ということがやがて解明される。それが航法ユニットだ。
実は航法ユニットは惑星エリシアでも惑星ルクレアでも遺跡から発掘された用途不明のオーバーパーツとして博物館か政府の保管庫に厳重に保管されていたのだ。
やがて、航法ユニットの使用方法だけがわかり、宇宙船に組み込まれるようになったのは周知のとおりである。
通常の航法ユニットの実体はAIであり、その意識や理性を封じ込めたままの今の使い方では遠からず覚醒したAIがいうことを聞かなくなるとハルトは想定している。