#その282 あのですね、私と一緒にお風呂に入りませんか?
#その282
「いえ、ハルト隊長がいてくれるから私たちは安心して活動できるんです、これからもよろしくお願いします」
ティアナはそういってハルトの手を握る。
「あー、ずるいです!ティアナさんばかりズルイですよ!ハルト隊長私の手も握ってください!」
リリアがすかさずハルトの手をぎゅっと握る。
「ああ、もちろんだよ」
ハルトは内心困ったのであるが、そんなことは顔に表さないで、笑顔のまま2人の手を同時に握り返す。
そしてその夜、ハルトは1人自室のベッドの上で今回のレスキューについて考える。
「みんなよく頑張ってくれたな。どんなレスキューがあるのかわからないから気を抜けないが次も頑張ろう」
ハルトがそう決意を新たにしていると、とんとんとんと壁にあるルミナ直通ドアがノックされる。
「はい、どうぞ」
ルミナが返事をする。
「ハルトさん、今いいですか?」
「ああ、いいよ」
ハルトの部屋のドアが開きルミナが入ってくる。
「失礼します!あの〜、ハルトさん?実はお願いがあるんです……」
少し恥ずかしそうに言うルミナ。
「(ん?なんだろう)」
ハルトは不思議に思いながらも話を聞くことにする。すると……
「あのですね、私と一緒にお風呂に入りませんか?」
と言うではないか!これにはハルトも驚く。
(おいおい、いきなり何を言い出すんだよ)
「ルミナ、それはどういう意味で言っているんだい?」
ハルトは恐る恐る尋ねる。
「はい、この迎賓館ができて初めて{お風呂}という存在を知りました。ハルトさんと一緒にお風呂に入りたいんです」
ルミナは恥ずかしそうに言う。
(はぁ〜やっぱりそういうことか……)ハルトは思った。