#その272 エリオットより、スペースレスキュー隊フェニックス、事情は承知した、出動を承認する
#その272
「落ち着きましたか?そちらの位置を正確に特定したいので、船の搭載されている標準救助信号ビーコンをONにしてください」
「サンディ号了解、訓練でやりました、できます」
「フェニックス隊ルミナよりサンディ号へ、大変よろしいです、サンディ号の救助信号ビーコンを確認しました」
ルミナはモニタを確認すると、ハルトに報告する。
「ハルト隊長、サンディ号は当初想定している位置よりもずいぶん惑星エリシアに近いです」
「ハルトより総員へ、レスキュー対象の位置を特定」
「こちらサンディ号、現在エンジン停止、船内電力は予備電池でなんとかまかなっています。浮遊しながら惑星エリシアに引き寄せられています」
サンディ号から不安に感じて、頻繁に通信が入る。
「ハルトよりルミナへ、スペースレスキュー隊フェニックス出動準備」
「ルミナ了解」
ハルトは一刻の猶予もならないとスペースレスキュー隊フェニックスに、出動準備を命ずる。
「ハルトよりエリオット司令長官、レスキュー要請です」
「こちらエリオットだ」
「隊長より長官、聞いた通りです、宇宙船サンディ号からレスキュー要請が来ています」
「エリオットより、スペースレスキュー隊フェニックス、事情は承知した、出動を承認する」
「承認了解!」
「ルミナよりフェニックス隊メンバーへ、レスキュー艦ルミナス、フェニックス1号発進準備して」
「フェニックス隊了解!」
ハルト、ルミナ、ノバ、リリア、アリス、ティアナ、カノンとマイクロマシン達は、フェニックスベース内にあるフェニックス隊員用休憩施設である迎賓館に待機している。たった今、司令長官であるエリオット国王からスペースレスキュー隊フェニックスの出動が承認される。
出動が承認されると、迎賓館にいるフェニックス隊員たちはフェニックス隊旗艦であるレスキュー艦ルミナスに搭乗する。
隊員は走ってルミナスまで行き、搭乗してもいいのだが、出動要請は基本的に緊急を要する場合なので迎賓館ホールから専用ビークルに乗りこみ、ルミナスへそのまま収容される。
宇宙戦艦ルミナスはスペースレスキュー隊フェニックスが結成されたときに、レスキュー隊旗艦ルミナスと名前を変えた。左舷と右舷にレスキュービークル発進用カタパルトを新たに装備し、よりレスキュー活動に特化している。
だがオウアクのような悪意を持った組織もまだ存在していることから武装は解除せず、攻撃を受ければ宇宙戦艦としても機能する。