#その270 あああっ、エンジン出力が急速に落ちています
#その270
サンディ号は惑星エリシアを一周すると、大気圏に突入するべく衛星軌道を離脱する最初の姿勢制御を開始する。やがて、サンディ号は衛星軌道を少しずつ離れて、エリシアの地表に向かう進路に転進する。
「管制へサンディ号より、高度10000で反転します!!」
ミーナミは管制に伝える。
「了解、高度10000に達後、再度連絡ください」
管制からの返信を確認すると、ミーシャは自動操縦にサポートされながら、衛星軌道離脱を進める。
「衛星軌道離脱完了、これより大気圏突入に向かいます」
「管制了解、そのままでOKです」
その時、ミーナミが航路逸脱に気が付く。
「おい、ミーシャ、予定大気圏突入航路からそれてないか?」
「そういえば、予定コースから少し逸れていますね、でもそれは大気の対流があるので、想定内なのではないですか?」
「アミル、念のため、プラズマエンジン出力を確認してくれ」
「了解、あああっ、エンジン出力が急速に落ちています」
「なに、なにが起こっている?」
ミーシャが慌てる。
「これはまずい、出力低下している」
アミルも慌てている。
「管制に連絡だ、こちらサンディ号!!」
「こちらエリシア宇宙空港管制、サンディ号どうしましたか?」
「緊急事態メーデーだ、エンジン出力が低下している」
「了解、すぐに確認します」
ミーナミは管制に緊急事態を伝えてミーシャとアミルに呼びかける。
「どうやら衛星軌道離脱の際に過熱でプラズマエンジンがオーバーヒートしているようだ」
機関長アミルが状況を説明する。
「サンディ号より管制、エンジントラブルです、予定コースを離脱しています」
「管制より、エンジン再起動できませんか?」
「機関長アミルより、何度もやってますが、セーフティが働いてしまって、だめです、エンジン再始動できません・・・」
ミーナミ、サーシャ、アミルはブリッジでなすすべもなく放心状態になっている。