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#その261 惑星エリシアの宇宙空港に無事着陸できたらだな、まず役所に行くんだよ

#その261


 もう一人の乗組員は、アミルだ。アミルは宇宙船のメカニズムに深い興味を持つ、エンジニア希望の青年だ。


 先の二人ほどおしゃれではなく、せっかくの銀髪もいつもぼさぼさ、服装も古の時代にはやったことがあるらしいジャージという野暮ったい恰好が定番だ。アミルは宇宙船オタクという区分でいることが幸せらしい。


 ミーナミ、ミーシャ、アミルはまだ学生の割にはしっかりしているように見える。だが、話をしてみると、学生特有の何にでも果敢に挑戦できるが、責任はあまり感じない的な雰囲気をどことなく漂わせている。それは他人にけっして不快感を感じさせるものではないところが若さゆえなのであろう。


「おい、ミーナミ、惑星エリシアに着いて、港に着陸、船から下りたら真っ先にどこに行くんだ? 俺まだ聞いてないんだけど」


 巡行中のサンディ号のブリッジの副船長席から航海士のミーシャが船長席にいるミーナミをつついて聞く。それまで眠そうにしていたミーナミがミーシャに答える。


 サンディ号は小型のクルーザであるが、操船席はかろうじてブリッジと呼んでもおかしくない程度の広さがある。


 ブリッジには実際に操船する航海長と航海士、サンディ号の動力であるプラズマエンジンとプラズマジェネレータを管理する機関長、そして総責任者である船長が座る船長席、キャプテンシートが装備されている。

 

 ブリッジ前面には、各種運航ステータス表示するメインモニターが5枚目立つところに設置されている。航海長と航海士席にはサンディ号は操縦桿タイプの操作レバーが置かれており、サンディ号を気持ちよく操縦することも可能だ。


 もっともこのレバーはほとんど出番はなく、船の舵輪タイプを選択することも可能な趣味性が高いオプションだ。


 この航海の乗組員はミーナミ、ミーシャ、アミルの3名なので、船長であるミーナミも普段は航海長席に座り、ミーシャが航海士席、アミルが機関長席に座って、それぞれの役割を果たしている。


 広い宇宙を航海するには航法ユニットが欠かせないものとなっていて、港の入出港以外はほぼオートマチックで航海を続けることが可能だ。


 サンディ号はインターワープを通過することはできないので、航法ユニットもノーマルユニットを装備している。


 なので、ミーナミもミーシャも今は特にすることはなく、モニタに表示される航行ステータスをぼーっと眺めているのが仕事と言えば、言える状態なのだ。


「あー、言ってなかったっけ? 惑星エリシアの宇宙空港に無事着陸できたらだな、まず役所に行くんだよ」


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