#その26 登録完了しました、これでハルトさんは宇宙船ルミナの正真正銘の船長です
#その26
ハルトの全身が淡いピンクの光に包まれて、体内がスキャンされているようだ。淡いピンクの光が収まるころ、ルミナがハルトに声を掛ける。
「登録完了しました、これでハルトさんは宇宙船ルミナの正真正銘の船長です。この船の全てにアクセスする権限が付与されました。ハルト船長、よろしくお願いします」
「ルミナさん、こちらこそよろしくお願いします」
ハルトはルミナに日本式の深いお辞儀をする。
「ハルト船長、操船室内ではルミナとお呼びください、私も船長とお呼びします」
「わかった、ルミナ・・・だね、そうさせてもらうよ」
「ハルト船長、それでは最初の指令を出してください」
ルミナはそういうとハルトに向かって敬礼する。
「では、えへん、ルミナへ、宇宙船ルミナはこれより広い宇宙に向かって発進する」
「ルミナ了解、これより発進します!」
こうしてハルトとルミナは再会する。ハルトは宇宙船ルミナの船長に就任し、宇宙へ船出することに決める。
「ハルト船長が女神ソフィア様によりこの宇宙世界に召喚されたおかげで、私は閉じ込められていた死にゆく惑星から1000年の時を超えてよみがえることができたのです。ハルト船長がいなければ、私は今でもあの暗い惑星の凍った地面の下に埋もれたままなのです」
ルミナは操船室のモニター全てに自分を映して、これまでの状況を説明してくれる。
「よしわかった。じゃあ、宇宙船ルミナはこれより再びコロニーに向かい、敵対している宙賊母艦を殲滅する」
「ルミナ了解、ハルト船長とルミナにとって初めての共同作業ですね」
「ああ、そうだ、ルミナと初めての共同作業になるな!」
「ルミナより船長、よろしくお願いします」
「ルミナへ、エンジンの状況教えて」
「ルミナより船長、プラズマジェネレータは作動中です。充填は60%、プラズマエンジンは指導してあり、アイドリング状態で待機中、いつでも発進できます」
「よし、プラズマエンジン出力10%、宇宙船ルミナ発進」
「ルミナ、了解、宇宙船ルミナ、発進します」
ハルトがそういうと、ルミナは宇宙船ルミナのエンジン出力を徐々に上昇しする。艦尾のエンジンよりきれいな青い光がゆらめき、宇宙船ルミナはゆっくりと発進する。そして、宇宙船ルミナは暗い宇宙に向けて進路をとる。いつの間にか操船室には船長用のキャプテンシートが準備されている。