#その258 「もちろんよ、フィアンセですもの」 ルミナも負けてない
#その258
夜遅くにハルトの部屋への直通扉をノックするのはルミナだ。
「ルミナ?どうぞ、入って」
ハルトはそういって扉を開けるとルミナが待っていましたとばかりにハルトの胸に飛び込んでくる。
ルミナは制服からこれもアリス特製ナイトドレスに着替えており、美しさが際立っている。
「ハルトさん、寂しかったです」
ルミナがそういうと、二人は濃厚なキスを交わす。
「ルミナ、きれいだよ、愛しているよ」
ハルトはそういうと、ルミナを引き寄せて抱きしめる。
「とんとんとんとんとん・・・」
応答するまでたたきつけるぞ、とノックに決意が籠っていることがわかる彼女しかいない。
「・・・どうぞ」
ハルトはティアナを胸の中から解放すると、しぶしぶと招き入れる。
「ハルト隊長、お待たせー」
そういいながら部屋に乱暴に飛び込んで、押し入ってともいう、きたのはもちろんティアナだ。
今日のティアナはブルーを基調としたシックなナイトドレスに身を包み、見かけだけなら王女としての貫禄と威厳に満ち溢れている、ように見える。
「あら、ルミナ艦長さんも来ていたんですね」
ティアナは勝ち誇ったようにいう。
「もちろんよ、フィアンセですもの」
ルミナも負けてない。
「ハルトさん、私も愛してますよ」
ティアナが切り込む。
「・・・俺も愛してるよ」
ハルトは仕方なしに答える。もはや、逃れる術はないようだ。そして・・・ここでドアが開いたと思うと。
「こんばんわー!」
そんな挨拶とともに入ってきたのはなんとカノンである。その後ろからリリアとノバが入ってくる。