#その255 ティアナ、あんた私に喧嘩を売っているのかしらね
#その255
「じゃあ、みんな着替えて迎賓館ホールに集合だ」
「はい」
全員が元気よく答える。
迎賓館ホールのテーブルには、料理と飲み物が並んでいる。司令長官であるエリオット国王夫妻も間に合ったようだ。
「それでは慰労会を始める前に、一言ご挨拶をお願いします」
ハルトがエリオット国王に挨拶をお願いする。
「え~と、今日はご苦労様でした、皆さんのおかげで無事に任務を完了することができました、特にルミナさん、お疲れさまでした」
「いえ、私は特に何もしてません」
ルミナは恐縮する。
「いえいえ、ルミナさんがいなかったら、この任務は完了しなかったでしょう」
エリオット国王が続ける。
「では、皆さん今日は楽しんでください」
エリオット国王が締めくくる。
「乾杯!」
ハルトの号令で慰労会が始まる。
料理は立食形式で、好きな物を自由に食べる形式だ。ハルトとルミナは二人で料理を取りに行く。
「ハルト隊長、今日はお疲れ様でした」
ルミナが料理を取りながら隣にいるハルトをねぎらう。
「いや、ルミナこそご苦労様だったね」
「ハルトさん、私もねぎらって欲しいかな?」
そういって、ハルトとルミナの間に割り込んでくるのはティアナだ。
「ティアナ、今日の活躍は思い切りよくってすごかったね」
ハルトがティアナをねぎらってとりあえずほめる。
「ありがとう、私の大事なフィアンセのハルトさん」
ティアナは嬉しそうに微笑む。
「ティアナ、あんた私に喧嘩を売っているのかしらね」