#その253 燃え尽きません、墜落予定個所はフェニックスベース近く、です
#その253
「ハルトより、やられた、カノン、プラズマライフルで右のやつを撃破できるか」
「カノンやります、任せて」
カノンはそういうと、フェニックス2号コンテナの上でプラズマライフルを構える。
「目標捕捉、照準よし、撃ちます、3,2,1,0、発射!」
カノンのプラズマライフルから一条の青白い光が伸びて、H2Oユニットの一つが蒸散する。
「よし、キャッチー」
旗艦ルミナスとフェニックス2号は一番大きなH2Oユニットのネットキャッチに成功する。
「もう一つは、ティアナ頼む」
「ティアナ、頼まれたー」
ティアナはそういうとあっという間にH2Oユニットを追いかけていく。
「ティアナよりハルト隊長へ、H2Oユニットは一直線に惑星エリシアに向かっています」
「ルミナ、H2Oユニットが燃え尽きるかどうか、演算して」
「ルミナ了解」
ルミナは急いで演算する。
「燃え尽きません、墜落予定個所はフェニックスベース近く、です」
「えー、はなっから奴らの狙いはフェニックスベースかよ」
ティアナはそういうが早いか、H2Oユニットにさらに加速して追いつく。
「ティアナ、惑星エリシアに近すぎて、旗艦ルミナスの主砲は使えないの、軌道をずらして、海上に落として」
「ええい、もう、ティアナ了解、やりまーす」
ティアナはそういうと、残ったあと一つのH2Oユニットの残骸に再度追いつき、がしっと体を巻き付ける。そして、自らのバーニアを吹かして、軌道変更を試みる。
ティアロイドの出力をもってしてもなかなか軌道は変わらない。だが、こんなことで諦めるティアナではないのだ。
「こんちくしょう、なめるなー」
ティアナは気合を込めて、一瞬出力を最大にする。
「これで、どうだ?」
ティアナのパワーでH2O残ユニットは見事に軌道が変わる。