#その251 こちらフェニックス1号、H2Oユニットは加速して、逃亡を図っています
#その251
ティアロイド フェニックス1号はH2Oユニットから少し離れて、後部から追尾する体制に入る。ユニットは動力をもたないが、デブリの中に壊れた動力ユニットでもあったのか、けっこう速く移動する。
「こちらフェニックス2号リリアとカノン、ルミ姉、フェニックス1号に追いつきました」
「了解、カノン、プラズマライフルで破壊しちゃって」
「カノン了解」
カノンはそういうと、プラズマライフルを抱えて、コンテナの上に立つ。そしてフェニックス2号よりプラズマライフルにエネルギーを充填する。
「こちらフェニックス1号、ルミナへ、H2Oユニットの方向が変わります」
「ルミナより、何かあったの?」
「もしかすると、こっちの攻撃意図を察知したのかも」
「カノン、破壊急いで」
その間にもH2Oユニットは速度を上げて移動する。その速度はデブリ帯のごみをかき分けながらではあるが、通常の宇宙戦艦の比ではない。
「こちらフェニックス1号、H2Oユニットは加速して、逃亡を図っています」
ティアナはそう報告しながら、プラズマエンジンの出力を最大にして、デブリ帯のごみを押し退けて、ユニットに接近しようとする。
しかし、H2Oユニットは移動速度を増して離脱を試みる。デブリに当たって、自身がまとっているデブリが壊れようがお構いなしだ。
「ティアナよりルミ姉へ、H2Oユニットが加速を開始、これでは追いつけません」
「カノンよりルミ姉へ、プラズマライフルの射程をオーバーしました」
「こちらルミナ了解、ティアロイドもカノンもデブリ帯から退避、とにかく追ってください」
「了解!」
そういうとティアナはH2Oユニットの追尾に入る。
「ティアナよりルミ姉、現在H2Oユニットは加速中、まだこっちも追えるだけの推力があるけど、そのまま追跡を続けていい?」
「ルミナより、十分に気を付けて追跡してね、OK?」
「了解、追跡続行」
ティアナはそういうと、H2Oユニットにさらに接近を試みる。
しかし、H2Oユニットはどんどん加速する。