#その248 それはですね、隊長、私は宇宙一の天才だからです
#その248
フェニックスベースを覆う岩板屋根がゆっくりと開く。隙間ができると、同時に、
「よしきた、フェニックス1号発進します」
ティアナはそういうと、フェニックス1号をいきなり全開にして、カタパルトから発進する。
「うおおおお・・」
ずぎゅーんとカタパルトから金属音が発して、すぐにフェニックス1号の姿は見えなくなる。
「相変わらず、すごい加速だな」
ハルトはそういうと、無線越しにティアナに話しかける。
「ティアナはどうしていつもそんなに速いんだ?」
「それはですね、隊長、私は宇宙一の天才だからです」
「・・・」
「冗談ですよ、まあ、私の操縦テクニックが優れているからでしょうな」
「そうか・・・まあいいや。とにかく早く現場へ急行してくれ、旗艦ルミナスもじきに追いつく」
屋根が全開になると、旗艦ルミナスは発進準備に入る。
「艦長よりノバ、プラズマジェネレータよりエネルギー注入、補助エンジン始動」
「ノバより、補助エンジン始動成功、出力20」
「艦長よりノバ、補助エンジン出力50,重力コントローラを作動」
「ノバ了解、重力コントローラを作動」
「艦長よりノバ、旗艦ルミナス離陸開始」
「ノバ了解、旗艦ルミナス、離陸、します」
レスキュー隊旗艦ルミナスは重力コントローラを作動して、ゆっくりと離陸、その巨体の上昇を始める。惑星エリシアの重力をものともせず、旗艦ルミナスは大空へ吸い込まれていく。
「こちら、フェニックス1号ティアナ、重力圏離脱完了、衛星オツキ軌道へ向かいます」
「ハルト了解、H2Oユニットは見つかりそうか?」
「隊長、さすがのフェニックス1号にも宇宙空間は広すぎて、今はわからないです」
「そうか、引き続き探してくれ、それから現場監督リーフと話をしてくれないか」
「フェニックス1号了解」
ティアナはそういうと、ティアロイドSを加速して、衛星オツキに接近する。
「リーフ現場監督、こちらフェニックス1号、聞こえますか」
「こちらリーフ、よく聞こえます」