#その236 おたくの娘さんが万が一暴走すると惑星エリシアが吹き飛びかねませんからね
#その236
そんな通信の後、エリオットは専用通路をぶっ飛ばして、フェニックスベースに姿を見せる。通信してから10分と経っていない。
「オツキ宇宙ステーション建設資材機材を運びあげるのに力を貸してほしいのだが、どうじゃ?」
「どうじゃもこうじゃも、エリオット国王はここの司令長官なのだから、一言、やれと命じていただければいいのでは?」
「それはあまりやりたくないのでのう?第一わしの命令ではあれが言うこと聞くと思えんしのう?」
「まあわかりますけど。結論からいいますと、惑星エリシア地表宇宙港からオツキ宇宙ステーションまでこの旗艦ルミナスを使って、建設資材を運び上げることは可能です、ただし・・・」
「ただし・・・?」
「一つは、艦長ルミナを説得すること」
「うん、それは我でもできそうだ」
「もう一つは少佐ティアナを旗艦ルミナス護衛任務につけていいかってこと、です」
「ティアナを外すの間違いではないかの?」
意外な条件を突きつけられて、エリオットは聞き返す。
「間違いではないです、ティアナを作業中野放しにするとなにをしでかすか心配なので、近くにおいておきたいのです」
「そういうことか、ふーむ」
「そうです、おたくの娘さんが万が一暴走すると惑星エリシアが吹き飛びかねませんからね」
「・・・わかった」
「ティアナには私から伝えておきますから」
「ハルト隊長、頼むよ」
ハルトは、フェニックスベースにある迎賓館のホールにルミナ、ノバ、リリア、カノン、アリスそしてティアナを呼び出す。
「みんな、集合ありがとう」
「ハルト隊長、今日はなんのお話でしょうか」
ルミナが質問する。ルミナが一番精神的に大人で安定していて、一緒にいると気持ちが安らぐ。それに引き換え・・・がそんな気持ちは隠してにこやかに話を進める。
「うん話というのはだな、エリオット司令長官の命令で、スペースレスキュー隊フェニックスは旗艦ルミナスを運用、地表とオツキ間の物資機材輸送を行う、以上だ」
「えっ、そんな運送業みたいなことをフェニックス隊がやるのですか」
ルミナが驚いてハルトに尋ねる。