#その231 ねえあの方って、もしや第一王女様じゃないかしら
#その231
「リリア補佐 少尉 AIキャノン カノン」
{AIキャノンってなにかしらね、でもかわいい}
「工場長・メカ創造 少佐 アリス・フレッチャーとマイクロマシン」
{なんでも作っちゃうそうよ、工場長だってすごすぎるわ}
「現場指令 少佐 ティアナ・セレシア」
{ねえあの方って、もしや第一王女様じゃないかしら}
メンバーが発表されるたびに会場内で囁かれる声やネットワーク上を行きかううわさによればフェニックス隊はおおむね好意的に受け入れられているようだ。これは幸先がいい。
「以上の者をフェニックス隊員とし、所定の階級付きとして任命するものとする」
「はいっ」
全員が声を揃えて肯定の返事をする。つつがなく任命式が終わり、スペースレスキュー隊フェニックスはこの日正式に発足する。
「では、ハルト・アマギ隊長よりスピーチを賜ります」
いきなり振られてハルトは焦る。
だが、せっかくフェニックス隊を宣伝するチャンスだ、ここはかっこよく決めたい!
「この中継をご覧の皆さんこんにちは。スペースレスキュー・フェニックス隊隊長の大佐 ハルト・アマギです。宇宙にはまだまだ多くの星があり、遠くの星々をめぐる際にはいつ事故が起こってもおかしくはありません。そんな時のためにセレシア王国のと協力を得てスペースレスキュー隊フェニックスをここに設立します。我々は王国の平和と国民の命と宇宙全体の命を守るために、星々をまわります。パトロールや救出活動の他にも遭難者の救助にもあたりたいと考えています。また、帝国の侵略者からもこのセレシア王国を守るべく、防衛任務も担っていきたいと思います。皆さんが宇宙で安心して生活できるよう、我々スペースレスキュー隊フェニックスは全力で活動してまいります。どうか応援よろしくお願いします」
「ハルト隊長かっこいー!」
誰かが叫ぶと会場から大きな拍手が起こる。
{この声ってもしかして、王妃様?}
確かめるすべはないが、ハルトはうれしかった。
フェニックス隊発足式と任命式を終えたハルト達乗組員は、フェニックスベースに戻る。どこかに出かけてから戻るベースは自分の家のような感覚になり、ちょっとうれしい。
実際、ベース迎賓館での生活はとても快適で、今までの疲れがたちまち癒さていく。
#ハルトとルミナとティアナの休日デート 食事会でTKG
「ハルトさん、少しいいかしら」