#その230 もふもふケモミミさんだ。それが少佐よ、すんごいね
#その230
よく見ると自慢の白い船体には戦闘やデブリによる傷が多数あり、これまでの激しい宇宙空間での出来事が思い出される。
この姿になった宇宙戦艦ルミナスを外から見るのは一同初めてであるが、立派になったものだとつくづく感じる。ルミナスは今、艦首主砲のシャッターを開いて点検中であり、その雄姿が頼もしい。
#フェニックス隊 発足式と任命式
翌朝、迎賓館前に集合した一同は、フェニックス隊発足式と任命式に参加するために、カートに乗って地下通路をセレスタワーに向かう。
地下通路はセレスタワーの真下まで接続しており、エリオット国王はこの通路を使って、昨日のサプライズを実現したらしい。側近には、避難経路の確認だと誤魔化したようだ。
セレスタワーの真下にあるアリス特製セキュリティに守られた高速エレベータに乗って王宮階に向かう。緊急事態の際には今来た逆ルートでエリオット国王がフェニックスベースに向かうことができるはずだ。
王宮ではスペースレスキュー隊フェニックス設立式と隊員任命式が行われ、ハルト達は正式にフェニックスの一員となる。
「まずは、この佳き日に、我がセレシア王国の威信をかけて、スペースレスキュー隊フェニックスを設立する。設立の趣旨はこの宇宙の安全と平和をもたらすためとする」
会場内からは割れんばかりの拍手が沸き起こる。
「この隊の総責任者スペースレスキュー隊フェニックス司令長官にはこのわしエリオットが王国の責任を果たすために就任する」
おおーっとどよめきの声が響き渡る。
「次に隊員の任命を行う。名前を呼ばれたものから一歩前に出よ」
会場から盛大な拍手が沸き起こる。
「まず、隊長 大佐 天城ハルト」
{天城大佐だって、かっこいい人よね}
「艦長・航海長 中佐 ルミナ・サンシャード」
{女性中佐よ、憧れちゃうな}
「ナビゲータ・機関長 少佐 ノバ・アストラ」
{まだ子供じゃないかしら、あのお年で少佐ってどれだけ天才なのかしら}
「メカコントロール・火器管制 少佐 リリア・オパリナ」
{もふもふケモミミさんだ。それが少佐よ、すんごいね}