#その227 #フェニックスベースにて みなさん、いらっしゃーい
#その227
浮上したその先は、完成したスペースレスキュー隊フェニックスの母港、基地フェニックスベースである。
「アリスより、みなさん、いらっしゃいませ、ここがフェニックスベースルミナス専用ドックです。これから排水するので、しばらく待ってくださいね」
アリスがそういうと、みるみるうちにドック内の海水が減っていく。しばらくするとドック内の海水は完全になくなる。
「ねえハルト艦長、排水なんてしなくても重力コントロール使えば、そのままドライ状態のドック内に着陸できるのでは?」
「ルミナのいうことはもっともだが、これが正しい秘密基地への入り方なのだよ。覚えておきたまえ」
ハルトはいつになく上機嫌でしかもオタク化している。
#フェニックスベースにて
「艦長より総員へ、下船用意」
ハルトの呼びかけで全員がいそいそと外出用の支度をして、艦体側面に装備されたドック下船用エレベータ前に待機する。
このエレベータはこのドックのためにアリスが改造取り付けした装備だ。今日は初めての下船なので、全員がルミナスの制服を着用している。なので、キャビンアテンダントの集団が行動しているようにも見える。
エレベータに全員が載ったことを確認すると、そのままルミナスの外郭が開いて、船外のドック下へ直行する。このような場所で宇宙戦艦ルミナスを改めて見上げると山のように大きなことがわかる。エレベータが到着した場所にアリスが待っている。
「みなさん、いらっしゃーい」
「アリス、ありがとう、こんな素敵なドック作るの大変だったでしょ」
みな、口々にアリスに礼を言う。
「みなさーん、驚くのは今じゃござんせん。さあ、フェニックスベース迎賓館へ行きましょ」
アリスはそういうと止めてあったカートに全員を乗せるとカートを発車させる。カートはドック内道路を静かに走行する。
「なあアリス、ここって地下だよな。こんな立派な道路があるけど、地下だよな」
ハルトが驚いてアリスに尋ねるが、まだまだといいうのか、アリスは返事もしないでカートを走らせる。
「はーい、みなさん、フェニックスベース迎賓館FBGに着きましたよー」