#その223 アリス、き・ち・は・で・き・そ・う・か?
#その223
#フェニックス隊基地建設
基地としてこの場所はどうじゃろう、とエリオット司令長官から紹介された場所は、セレスタワーから10kほど離れた場所にある岩場の入り江になっている海岸である。
海へ向かって切り立った崖が続く難所であり、道路らしき建造物は皆無だ。ハルトはフェニックス隊メンバーー同と共に下見に訪れている。
「ハルト隊長、エリオット司令長官の紹介の場所ではありますが、ちょっと難があるのではないでしょうか?」
「うーん、そうだなあ、便利とはほど遠いかな」
ハルトとルミナがそう話していると、ノバが発言する。
「ねえねえ、ルミ姉たち、ここの地下って大きな空洞があるし、すごく掘りやすそうだよ」
「そうなんだ、ノバはよくわかるね」
「新婚さんのお家を建てるわけじゃなし、ハルト隊長の希望通りだと思うけどなあ」
「アリス、ここの地下に基地を建設できそうかな?」
ハルトは崖の突端から下の海岸を覗き込みながらアリスに尋ねる。
「ここの地下を掘って・・・こっちは埋めて、海水を取り込んで・・・工法はこうで、納期は・・・」
アリスの頭の中はすでに新基地建設構想でいっぱいのようだ。構想できるということはここはいい場所ということなのだろう。
「アリス、き・ち・は・で・き・そ・う・か?」
ハルトはアリスの耳元で叫ぶ。
「わっ、驚いた!ハルト隊長じゃないですか」
「で、どうなのよ?」
「あっここはですね、硬い岩盤に半径10kが覆われていて、ちょっとやそっとの地震くらいじゃ壊れない天然の要塞です。まあ私にかかれば掘削方法を工夫するので、基地建設は可能です。結論論を言えば、基地には最適な場所ってことです。ああ、腕が鳴る~」
アリスはそういうとまた自分の世界に戻ってしまう。
「ルミナ、そういうわけだ。ここに基地を建設することを決定しよう」
「ハルト艦長、いえ、ハルト隊長、私はもちろん賛成ですよ」
「そうだ、ここの名称はフェニックスベースでどうだ?」
「隊長、かっこいいっすねえ、フェニックスベースいい名前だねえ」