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#その212 ティアナはそういうとティアラをエリオット国王に投げ返す

#その212


 ティアナ・セレス、この国の王女であり、本物のお姫様だ。ティアナはこちらをちらっと見るとにっこりとハルトに笑顔を見せる。


 これがロイヤルスマイルかあ、とハルトはどきっとする。ティアナは青いドレスに身を包んでいる。


 手には王族であることを示すティアラを持っている。王女を続けることが決まれば、そのまま手に持つティアラの戴冠式になるのだろう。一部の隙も無い王女様にふさわしいいで立ちだ。


 階段を降りたティアナはステージ中央に立ち、国王陛下の問いかけを待つ。この格好を見れば返事は聞かなくてもわかってしまう。ティアナはきっと父母と共にこの国を栄えさせる道を選ぶことだろう。


 父国王はティアナが頭に載せるべきであろうティアラをティアナから受け取り手に持ち、ティアナの前に立つ。


「ティアナよ、汝はこの国の王女として、今後もこの国と民のために即位するか、もし許諾であればこのティアラを手に取り、頭に自ら載せよ」


 エリオット国王はそういうと、ティアラを渡す。ティアナは覚悟を決めたようにステージ中央に進み、ティアラを両手で高く捧げ持つ。


「父国王母王妃セレスの娘としてティアナはこの世に生を受けた。私はこのティアラをこのまま頭に載せて、この王国のために邁進することが正しい道であると思う」


 ティアナはここで言葉を切ると、ハルトの方を向いて、これから悪いことをしますよといわんばかりに、にやりとする。


「だが私はそこにいるハルト・アマギ宇宙戦艦ルミナス艦長とすでに一夜の契りを結んだ身である。わが身はもうハルト・アマギと共にあるのが正しいと考える。よって、このティアラはエリオット国王にお返しいたす」


 ティアナはそういうとティアラをエリオット国王に投げ返す。そして、その場でくるりとその身をひるがえすと、豪華なドレスはどこへやら、いつの間にか宇宙戦艦ルミナスの制服姿に着替えている。


「ハルト艦長、そういうわけなので、一生よろしくお願いします」

 ティアナはそう宣言すると、えいやっとばかりにステージから飛び降りて、ハルトの胸元に飛び込む。


「ハルト艦長とティアナ王女の婚約を祝福するものはその右手を胸に、異議のある者は左手を頭上に掲げよ。」

 エリオット国王補佐官が告げる。


「わあー」

 ノバやリリス、アリス、カノンがその場で歓声を上げて、右手を胸にあてる。


・次回で第1巻 完了 です。


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