#その209 それでですね、その・・・私とハルトさんも家族になりたいなあって
#その209
「ノバ了解、艦長が酔わないようにさくっと進める航路を選ぶね」
「みんなありがとう、宇宙戦艦ルミナスはこれより惑星エルシアへ二度目の降下を行うよ」
「了解!」
リリアは惑星降下中の万が一の敵襲に備えて、周囲を警戒し、いつでも反撃できるようにスタンバイする。
カノンは出力を上げて撃った主砲の点検をしているようだ。アリスは衛星軌道ステーション修復の失敗を反省し、今度はセレスタワーを修理しようと準備している。マイクロマシンも密かに反省しているらしい。
そしてティアナは・・・
宇宙戦艦ルミナスは順調に惑星エルシアに降下し、今は首都セレス近くの{海の港}に停泊している。到着早々にアリスはマイクロマシンを引き連れてセレスタワーの補修に向かう。
ティアナは父母でもあるエリオット国王夫妻と一緒に下船し、セレスタワーに向かったようだ。ティアナが実装するティアロイドは素晴らしい働きができるが、あの能力はこの惑星再生のために生かすのがよさそうだ。
そして、俺天城ハルトは久しぶりに宇宙戦艦ルミナスの艦長室にて、ベッドに寝転びながらのんびりしている。本当に久しぶりの休日だ。
「とんとんとん・・・ルミナです」
「どうぞ、開いているよ」
ハルトはルミナの来室を喜び、部屋に招き入れる。そして、ドアをがちゃんとロックする。
「ルミナ、これまでよくやってくれたね、ありがとう」
「いえ、全部ハルトさんのおかげです。ハルトさんがいなかったらとっくにこの艦船は撃沈していました」
「いや、ルミナが頑張ってくれたおかげだよ」
そういうとハルトはルミナをそっと抱きしめる。ルミナもハルトの背中に手を回す。
「ねえ・・・私、ティアナさんを見て思ったんですけど・・・」
「うん?」
「やっぱりこの艦のみんなって、家族ですよね」
「ああそうだな、俺もそう思うよ」
「それでですね、その・・・私とハルトさんも家族になりたいなあって」
「えっ?俺とルミナがか?」
「はい・・・ダメですか?」