#その206 宇宙戦艦ルミナスは神の遣いなのだろうか
#その206
一部始終をブリッジで見ていたエリオット国王は
「宇宙戦艦ルミナスは神の遣いなのだろうか」
との言葉をその場で発したという。
「艦長より総員へ、みんなよくやったぞ、ホメテ遣わそう」
「ルミナより、みんなありがとう」
「ノバより、みんなお疲れ様、よくやったよ」
「ティアナより艦長へ、タグロケットの回収はどうしますか?」
「アリスにやらせるから、そのままでいいぞ」
「了解です」
「よし、では全員持ち場に戻れ」
「アリスより艦長、衛星軌道ステーションですが、ポジトロンキャノンの電子風でさすがにぼろぼろです。どうしますか?」
「どうしますかって・・・エリオット様、どうしたいですか?」
ハルトは返事に困ってエリオット国王に尋ねる。
「ハルト艦長、私は国王であっても、アレをどうしたいなどという権利はないので・・・ハルト艦長にお任せします」
「アリス、そんなわけだから衛星軌道ステーション、お前のマイクロマシンで補修することって可能か?」
「アリスより、ハルト艦長、可能かどうかって聞かれれば、もちろん{可能}ですよ。でも、あの王様に{結果}には文句を言わせないでくださいね」
「アリスへ、おう、わかったよ。マイクロマシン達も頼むよ、エリオット様、いいですね」
ハルトはエリオットに{はい、か、Yes}の選択肢を示す。
「もちろん、さっきも言ったとおり、お任せします」
#惑星エリシア 衛星軌道ステーションリカバリープロジェクト
「アリス了解、{マイクロマシンも了解}、じゃあ行きますよ、衛星軌道ステーションリカバリープロジェクト、ここに発動!」
アリスはそう叫ぶと、アリス工房内に設置されたマイクロマシンコントロールパネルをものすごいスピードで操作する。
その目は真剣そのものでとても普段おちゃらけている姿からは想像できない。ハルトとエリオット国王も真剣なまなざしでその様子を見守る。ステーションを動かした1000基のタグロケットはマイクロマシンに戻り、そのままステーションを覆い尽くす。それは一見Gに占拠されたお城のように見える。