#その203 ティアナより艦長、私が出てもいいですか?
#その203
タグロケット1000基は一斉にエンジンを始動する。一つ一つは小さなタグロケットでも1000基が集まれば、大きな衛星軌道ステーションを動かすことができる。
「ノバより艦長、衛星軌道ステーション、移動開始したよ」
「ノバへ、よし、そのまま少しでも地表への突入軌道からずらして時間を稼いでくれ」
「ノバ了解」
「エリオット様、衛星軌道ステーションの住民避難状況はどうでしょうか?」
「ハルト艦長、順調に進んでいますよ。後2hかからずにおかげで避難できそうです」
「それは良かった、このまま続けてください」
「ルミナより警報、右舷より衛星軌道ステーションと当艦にエネルギー急速接近、攻撃です!」
「アリスより艦長、あの程度の攻撃ならこの船は防御できますが、タグロケットは無防備です」
「ティアナより艦長、私が出てもいいですか?」
「ティアナへ、なら俺も行くぞ?」
ティアナとハルトは格納庫に降りる。ティアナはすぐに10mサイズのティアロイドを生成する。そしてハルトのために自身の一部を再生成する。これらをティアナはビルドアップと呼んでいる。
「ハルト艦長、装着具合はどうですか」
「うん、いいぞ、前の時よりフィット感がアップしているよ」
「どんな武器がいいですか?」
「そだな、ティアナは出力の大きいプラズマバズーカでどうだ?俺のは小回りの利くプラズマライフルにして欲しいな」
「ティアナ了解、いいチョイスです」
ティアナはそういうとハルト用にプラズマショットライフル、自分用に肩にかつぐプラズマバズーカを装備する。準備しているとブリッジより励ましが入る。
「ルミナよりハルト艦長、タグロケットの制御は私とノバが行います。安心してください」
「ルミナ、ノバ、では頼むな、無理するなよ」
「了解です」
「アリスへ、この作戦はアリスが要だ。だからここでしっかり指揮を取って欲しいんだ。いいかな?」
「アリス、了解」
「では、行ってくる」