#その187 船は撃破したのですが、ティアナ姫の遺体が見つからないのです
#その187
#惑星エリシア
その頃、惑星エリシア エリシア王国首都にある政庁セレスタワーでは・・・
「国王陛下!大変です!」
近衛騎士が血相を変えて執務室に飛び込んでくる。
ここエリシアでは前国王を革命という名の暴力的政変により追放し、新国王オウアクがその席についたばかりだ。
「なんだ、騒々しい!」
新国王オウアクは不機嫌そうに騎士に答える。
「アスター号がエリシアに向かって出航しましたが、途中で行方不明です」
「なんだと?あの船は先王の娘であるティアナが乗船していた船ではないのか?」
「はい、そうであります」
「ティアナごと極秘に撃破する手はずだったのではないのか?」
「はっ、船は撃破したのですが、ティアナ姫の遺体が見つからないのです」
「では、広い宇宙で死んだ可能性の方が高いではないか、驚かせるでないわ」
新国王はほっと胸をなでおろす。
「ティアナが生きていてはこのエリシア王国は完全に我のモノになったとはいえないからな」
新国王はほくそ笑む。
「はい、それはその通りであります」
騎士も同意するように頷く。
「それにしてもティアナ姫を完璧に始末しようとしたがなかなかうまくいかぬものだな」
「ええ、ですからあのような策を講じたのですが・・・」
「まあよい、ティアナが生きていても簡単にここエリシアまで来ることはかなうまい」
新国王はそういうとまた執務に戻る。
その頃宇宙戦艦ルミナスでは・・・
「艦長よりルミナへ、現在位置から惑星エリシア王国首都セレスの衛星ステーションへの到着予定時間を教えて」
「ルミ姉了解、到着予定は変わらず明日の朝だよ」
「艦長よりルミナ、そのルートをナビゲートしてくれ」
「ルミナ了解!任せてね!」