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#その184 きっと最初から私の命を狙って襲ってきたと思います

#その184


「そうです、宙賊は積載物を奪うことを目的にしていることが多いので、今回も高価なものを渡して、見逃してもらうつもりでした」


「それが、最初から攻撃を仕掛けてきたと」

「そうです、きっと最初から私の命を狙って襲ってきたと思います」


 ティアナは冷静に分析しているが、命を狙われた直後だというのに健気なものだ。本屋さんでたっぷりと本を見て、好きなだけ本を購入した乗組員は宇宙戦艦ルミナに無事帰還する。


「ハルト艦長、インターワープステーション3アルファから通行許可が下りました。すぐに出航しますか?」

「ルミナ、ありがとう。ティアナの母国惑星エリシアの政変が気になるからすぐに向かうとしよう」


「ルミナ了解、私も賛成です」

「みなさん、ありがとうございます」

 ティアナ涙ぐんでみんなにお礼を言う。


「総員、出航準備に入ってくれ」

「ハルト船長、ありがとうございます、みなさんまだここでゆっくりしたいでしょうに」


「艦長よりノバ、さあIW3に突入するぞ。ノバの航法ユニットが頼りだからな、頼むよ。」

「ノバ了解、へへ、任せといてね」


「ルミナよりノバへ、補助エンジン始動、プラズマジェネレータエネルギー圧縮開始して」

「ノバ了解、補助エンジン始動問題ないよ」


「ルミナよりノバ、補助エンジン出力30%で出航しましょう」

「ノバ了解、補助エンジン順調、30%になったよ」


「艦長より総員、これより宇宙戦艦ルミナスはIWS3を出航する」

「了解!」


 船出はいつも気持ちがよい。これまでの流れにけじめをつけて、新しい流れに乗ることができるかもしれないからだ。宇宙船ルミナはIWS3の4004バースを離れて、暗い宇宙空間へ解き放たれる。


「ルミナよりノバ、プラズマジェネレータ充填80%でメインエンジン始動して」

「ノバ了解、間もなく80%」


「ルミナ了解、IWS3の管理宙域離脱後ただちにメインエンジン始動するよ」

「ノバ了解」


宇宙戦艦ルミナスはゆっくりとIWS3の管理宙域であることを示す空間ブイを通過する。


「ノバいいよ、メインエンジン始動」


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