#その173 【挿絵ティアナお姫様】ありゃりゃ、本当のお姫様じゃないか
#その173
「ノバより艦長、これからティアナをブリッジに案内してもいいかなあ?」
「おおっ、ノバか、いつでもいいぞ、待ってるよ」
ノバから連絡が入るやいなや、ブリッジの入口にはノバ、リリア、ティアナの3人が揃っている。
「艦長、見てみて、ティアナすっごく可愛くなったよ」
ティアナはノバとリリアの後ろに隠れるようにしていたが、ノバに背中を押されて、前に立つ。
「おっ、ティアナ、お姫様になったな」
脱出用ポッド内では宇宙服用アンダーウエアという色気皆無の服装だったティアナ。
それでも可愛らしかったが、今のティアナは藍色のロングスカートドレスに身を包んでいる。ブロンドロングヘアを背中に垂らして髪飾りでまとめている。ティアナはゆっくりとブリッジ内に入ってくる。
「ティアナ、あなたはセレス王朝の王女なのか?」
「そうですね、跡継ぎではありませんが、王族の末端に連なっています」
「ありゃりゃ、本当のお姫様じゃないか」
ハルトは驚くが当のティアナはばれちゃったかといたずらっぽくてへぺろとほほ笑んでいる。本物のお姫様は度胸も本物ようだ。
「ハルト艦長、そしてみなさん、改めまして、ティアナ・セレスです。よろしくお願いします」
「ルミナだよ、よろしくお願いします!」
「ノバだよ、よろしく!」
「リリアだよ、よろしくねぇ」
「アリスです、よろしくお願いします」
「カノンでーす、あまり会わないかもしれませんが、よろしくお願いします。」
それぞれの紹介が終わるとティアナは一番端にちょこんと座る。その仕草にも育ちのよさが現れている。そして・・・
「アリスさん、装束をありがとうございました。とっても可愛いくてうれしいです。ありがとうございます」
丁寧に頭を下げる。
「お安い御用です」
アリスはそういうとティアナの頭をなでる。
ティアナお姫様