#その170 セレスって苗字は、惑星エリシアのロイアルファミリーなのでは?
#その170
「ああ、見せてもらおうか」
ルミナは医療カプセルのカバーを降下して、内部が見えるようにする。カプセル内の女性は、というより女の子と呼んだ方がいいくらいに若い。
「おいおい、まだ子供じゃないか」
ハルトはこんな子供がポッドに入れられて宇宙空間をさまよっていたことに驚く。
#ティアナ 登場
そしてハルトは改めてこの少女を見る。すると・・・
「なかなかの美少女だな・・・」
「ハルトさん、デレデレしていませんか?」
ルミナは鼻の下を伸ばし気味のハルトがどうにも許せない。そんなとき少女が目を覚ます。
「ここは・・・私は・・・誰?・」
少女は周りを見渡すと、ハルトと目が合った。そして・・・
「あなたは誰なの?」
ハルトに聞いてくる。その目には涙があふれていた。どうやら記憶が混乱しているようだ。
「初めまして、自分はこの宇宙戦艦ルミナスの艦長、アマギハルトといいます」
「私はルミナ、この船の航海長です。あなた、お名前を言えるかな?」
ハルトとルミナは少女に優しく言う。すると少女は・・・
「私の名前はティアナ・・・」
「ティアナ?君はティアナというのかい?」
ハルトは驚いて聞き返す。
「はいそうですが、なにかおかしな点が?」
「それはね、君がポッドの中にいた時にスキャンした時はアスターだったからだよ」
「そうですか・・・きっと私の出自がわからないようにカモフラージュしたのだと思われます」
「ティアナ、苗字はわかるかしら?」
ルミナがティアナに聞く。
「はい、ティアナ・セレスといいます。よろしくお願いいたします」
ティアナはそういうと、ポッドに入ったまま、ぺこりと頭を下げる。
「艦長、セレスって苗字は、惑星エリシアのロイアルファミリーなのでは?」
「ねえティアナ、あなたはエリシアを脱出してきたのかしら、それとも戻るところだったのかしら。わかるようなら教えてもらえるかな。」
ルミナがティアナに優しく問いかける。