#その169 そして彼女は生体アンドロイドのようです
#その169
ノバは解析したデータをモニターに出す。そこには若い女性と思われる姿が映しだされている。服装はどこぞの姫君を思わせる支度だ。顔面には保護用らしいシールドが降りているが、端正整っている。
「艦長、この生物は人型の生命体です。特に危険はなさそうですが、未確認ですね」
「ルミナ、ありがとう・・・さてどうするかな・・・」
ハルトはモニターに映し出された女性を見ながら考える。
「ルミナ、この船には医療カプセルがあるよな」
「はいあります」
「よし、その女性を医療カプセルに入れてくれ」
「わかりました」
ルミナはそう答えるとすぐに医療カプセルの準備を始める。
そしてしばらくすると・・・
「医療カプセル準備できました」
ルミナが報告する。
「よし、その女性を医療カプセルに収容してくれ」
「はい」
ルミナは生物用ソフトアームを動かして女性をポッドから出し、医療用カプセルにそっと収容する。そしてパネルを操作するとカプセルを動かしてすぐに治療を始める。
その後・・・女性を検査した結果、肉体的には異常がないことが分かった。つまりこの女性は人間かもしれないという事だ。
「艦長、この女性の名前が判明しました」
ルミナが言う。ハルトはルミナの報告に思わず身を乗り出す。
「ルミナ、紹介してくれ」
「はい・・・この女性は名前はアスターです。そして彼女は生体アンドロイドのようです」
「生体アンドロイド?」
ハルトは聞きなれない言葉に思わず聞き返す。
「はいそうです、生体アンドロイドとは生物と機械を融合させた生命体です。その技術は帝国が独占してます」
「なるほど・・・」
ハルトは呟く。
「艦長、この女性のお顔を見ますか?」ルミナが言う。