#その165 何か高貴なものを運んでいたのではないかと考えます
#その165
「はい!速度維持で進むよ」
そして2時間後・・・
「ルミナより艦長、アスター号の現在位置が確認。あと10分くらいで視認できるます」
「ルミナ、了解。リリア、索敵範囲ノバと協力して広げて、プラズマキャノンエネルギー注入開始」
「リリア了解」
「ノバ了解」
「宇宙船アスター号、あと10分でそちらに到着します。何か注意することはありますか?」
ハルトは無線でカノーラに話しかけるが・・・返事がない。
「ルミナ、アスター号の周囲はどうだ」
「ルミナより艦長、アスター号の周囲に未確認船を確認しました」
「ルミナへ、味方か?」
「ルミナから艦長、どうやら海賊に待ち伏せされているようです」
「そうか、わかった。ありがとうルミナ」
そしてさらに2時間後・・・宇宙戦艦ルミナスは暗礁宙域に入る。
「カノーラさん聞こえますか?」
ハルトは無線で呼びかけるが応答はない。
「カノーラさん、聞こえますか?こちら宇宙戦艦ルミナスです」
すると・・・
「ルミナス艦長、助けて・・・ください、もう持たない」
カノーラの切羽詰まった声が聞こえる。
「わかりました、もうじきそっちに到着です、頑張って!」
そして宇宙戦艦ルミナスはついにアスター号を発見する。
「ルミナへ、アスター号はRAIユニットを持っている可能性はあるのかい?」
「ルミナより、今のところ、それらしい発信は計測されません」
「じゃあ、宙賊は何を狙ってアスター号を襲ったんだ?」
「ルミナより艦長、宙賊の狙いはよくわかりませんが、アスター号は貴族の持ち船です。私の想像ですが、何か高貴なものを運んでいたのではないかと考えます」
「わかった、ルミナ、アスター号の映像を送ってくれ」
「はい、フルスクリーンで送ります」
ハルトのモニターにアスター号の状況が映し出される。