#その163 艦長、女性っぽい声だねえ、うれしい?
#その163
「みんな聞いてくれ、今、この艦はIWS3に向かっているが、その前に10時の方向にある暗礁宙域で電波の発信を見つけたようだ、みんなもデータ解析に協力して欲しい」
「はい!ハルト艦長」
「よし、ルミナからの報告を待とう」
「ルミナより艦長、解析結果です。この微弱な電波はどうやら救難信号と思われます」
「そうか、わかった、ありがとうルミナ」
「いえ、艦長のためですから」
「次は、ノバとアリスにお願いだ。救難信号の発信元を特定してくれ」
「ノバ了解、すぐに解析するよ」
「よし、ではみんな、アリスからの報告を待つことにしようか」
そして10分後・・・
「艦長!解析結果が出ました。この電波は惑星間航行船のものと思われます」
「そうか、ありがとうアリス、惑星間航行船はけっこう大型だよな、その所属は軍なのか、民間なのかわかるか?」
「いえ、はっきりはわかりませんが、ルミナスの通信システムで呼びかければわかるかもしれません、ただ、こちらの位置も探知される可能性があります」
「わかった、ルミナ、見つかってもいいからその方法で呼びかけてみてくれ」
「ルミナ、了解!」
しばらくして・・・
「艦長!応答がありました。惑星間航行船からです」
「おお、そうか!」
それからしばらく無線によるやり取りが続く。
「船長より救難信号発信者へこちら宇宙戦艦ルミナスだ。そちらの状況を確認したいので応答願う」
「こちら、惑星間航行船アスター号、船長のカノーラだ」
「艦長、女性っぽい声だねえ、うれしい?」
ノバが横から口をはさむ。
「ノバ、うるさい、ちゃちゃを入れるなよ。」
「ほーい」
ハルトに言われてノバは黙る。こういうところがお子ちゃまで困るのだ。
こうして宇宙戦艦ルミナスは救助すべき船を発見した。