#その16 ルミナさんはこの仕事に手を貸してくれることはできそう?
#その16
「そうだ、このコロニーの外側でやるアルバイトがあるんじゃないかなあ。探してみよう」
ハルトはルミナとの会話を切断すると、コロニー内にある労働相談所に駆け込む。そこにはきっとこのコロニーの外側宇宙空間で行う仕事があるはずだ。
「すみません」
ハルトは受付のお姉さんに話しかける。
「はい、どうされましたか?」
「このコロニーの外側宇宙空間でできる仕事ってないですか?例えば宇宙港の荷物整理とか」
「うーん、そうですねー、今ちょうど募集があるのは・・・」
そういうとそのお姉さんは端末を操作して、いくつかの候補をピックアップしてくれる。
「ありがとうございます。ちょっと検討してみます」
ハルトはそのリストを見ながら、さらにルミナとデートするための作戦を考える。
「ルミナさん、こんにちは」
ハルトは早速ルミナにビデオ通話をする。
「あ、ハルトさん、こんにちは。今日はどうされたんですか?」
「うん、実はね、コロニーの外側宇宙空間でできる仕事を探していたら、こんな仕事を見つけたんだ」
そう言ってハルトがルミナに見せたのは、コロニーの外側を漂うごみ=デブリを回収する仕事である。危険な割に単価が安いせいか就業希望者はお世辞にも多いとは言えない。
「デブリ収集ですか。大切だけど希望者がいないお仕事ですね」
「ねえ、ルミナさんはこの仕事に手を貸してくれることはできそう?」
「そうですね、コロニーの外といってもけっこう広いし、宇宙空間でデブリを探すのはけっこう大変なので、デブリを探して、ハルトさんに伝えるお手伝いができそうです!」
そう言って3Dルミナはほほ笑む。
「よし、決めた。デブリ回収をやってみよう」
ハルトはそう決意すると、さっそくコロニーの労働相談所にてデブリ収集の仕事に申し込む。
「あのー、すみません、この仕事をやりたいのですが・・・」
「はい、わかりました」
受付のお姉さんがそういうと、すぐに手続きが始まる。
「では、この書類に必要事項を記入して提出してくださいね」
「はい!」