#その155 【挿絵カノン制服】ちぇっ、丸投げかよ、とハルトは女神ソフィアには聞こえないようにつぶやく
#その155
カノンはしょんぼりしている。
「うむ、そちの任務は失敗ではないぞよ」
「え?でも・・・」
「そちの使命はこの宇宙を平和にすることだろう?」
「はい」
「この星にはその使命を果たすわらわの忠実なるしもべであるハルトがそこに控えておるではないか?」
「ええーっ、俺は女神ソフィア様のしもべになった記憶はないけど・・・」
ハルトは女神ソフィアに聞こえないようにつぶやく。
「あ・・・そうですね、確かにハルト船長は素晴らしい方です」
「であろう?だからそちの今後のことはそこのハルトに任せることにするぞよ」
「えっ、では今後はハルト船長の命令を聞けばいいでしょうか」
「うむ、カノン、その通りじゃ」
「ハルト船長」
「はは、ここに控えております」
「これよりそこにおるカノンをお主にあずけるぞよ」
「はい、光栄です」
ちぇっ、丸投げかよ、とハルトはこれも女神ソフィアには聞こえないようにつぶやいておく。
「では交渉成立じゃ、カノンに自爆されないように禁止コードはルミナに送っておくからの」
「カノン、今後はハルト船長の言うことをちゃんと聞いて、宇宙のために働くのじゃぞ」
「創造主様、わかりました。仰せに従います」
「では、さらばじゃ、皆の者、達者で暮らせよ」
女神ソフィアは今度はすっと消える。操船室内には元の喧騒が訪れる。
「おほん、カノン、たった今からあなたの命令権は創造主ソフィア様からこの船長ハルトに移譲された」
「はい、ハルト船長、これまでのご無礼お許しください。今後はなんなりとご下命ください」
衛星キャノン改めカノンはただのAIではなく、やはりRAIである。キャラ的にはなんだか・・すぐに命張りそうだな、融通とか妥協ってことも教えないといけないな、今後は気を付けることにしよう。
「よし、カノン、お前はリリアに預ける。配下となり、火器管制ユニットの一翼を担うのだぞ」
「ハルト船長殿、はは、承知仕りました」
#カノン制服