#その146 さあ、ご覧ください、これがアリスの本当の能力です!
#その146
ルミナの一言で二人は黙る。
「アリス、さっそく開けてみて」
「ありがとう、何かな」
アリスはぱちんぱちんとケースの留め金を外す。そして蓋をぱかっと開けると、中身は小さなブロックらしきものだ。
「船長、こ、これは、私の眷属のマイクロマシンです。どこで手に入れたのですか」
「アリス、これはね、ハルト船長が前のインターワープステーション2のオークションで手に入れてくれたのよ、感謝しなさいね」
アリスは驚きでまだ言葉が出ない。
「いや、リリアの訓練用に探していたら、ルミナが見つけて、とにかく落札してというので落としたんだよ。」
ハルトは言う。
「でもね、このケース、どうやっても開かなくてね、RAIに関係した何かだとは思っていたけど、まさかアリスの就任承諾がキーワードだとは思わなかったわ」
ルミナも言う。
「ハルト船長、ルミナ姉さま、ノバさん、リリアさん、本当にありがとうございます。このマイクロマシンがあればこんなこともできますよ」
アリスはそういうと、胸元にモニタ画面を出して、なにやら入力する。
「さあ、ご覧ください、これがアリスの本当の能力です!」
アリスの宣言と同時に、そのマイクロマシンが発光して空間から材料が抽出されてルミナを覆って形を整えていく。そしてそこには・・・
「おお!すごいな、これ」
「わあ、ルミナ、綺麗です」
「これはまた・・・」
「ルミ姉、可愛いよお」
全員が感嘆する。そこに現れたのは、美しくドレスアップされた実体のあるルミナだ。アリスはハルトに向かって微笑むとこう言う。
「改めまして、私はRAI創造ユニットのアリスです。眷属のマイクロマシン共々これからよろしくお願いしますね」
「ああ、アリス、よろしく頼むよ。」
こうして、宇宙船ルミナには心強いクルーがまた一人加わる。