#その145 アリス、ようこそ、宇宙船ルミナへ、一同歓迎します
#その145
「それで誰かにあの宇宙ドックに閉じ込められて、その時に、眷属のマイクロマシンユニットをもぎとられちゃって・・」
「それでも頑張ってあの宇宙ドックを維持していたんだよね?」
「ハルト船長そのとおりです、惑星アルメリアには私一人しかいないもんだから大統領といつの間にか呼ばれていました」
「アリスはまだRAIユニットとして働く気はあるの?」
ハルトはここからが肝心だと思いながらアリスに尋ねる。
「私はまだRAI創造ユニットとして活躍したいんです」
アリスはぽろぽろと涙をこぼしながら答える。ハルトはそんなアリスをそっと抱きしめる。
「じゃあ、アリスはこの宇宙船ルミナの創造ユニットに就任するといいよ。」
「ハルト船長、その気持ちはうれしいです。でも、私は眷属であるマイクロマシンを失った今、創造はできないのです。ごめんなさい。」
「そうか、とにかくアリスはこの船に残ってくれる意思はちゃんとあるんだね、ありがとう。」
「ハルト船長、気持ちはあります。ノバさんやリリアさんのサブユニットで構わないので、働かせてください」
アリスはそういって、ぺこりとハルトに頭を下げる。
「よし、アリスの気持ちはわかった。宇宙船ルミナはアリスを迎えよう、歓迎するよ」
ハルトがそういった瞬間、船長室にルミナ、ノバ、リリアが姿を現す。
「アリス、ようこそ、宇宙船ルミナへ、一同歓迎します」
ルミナがそういうと全員から盛大な拍手が沸き起こり、アリスを真ん中にして全員がだきあう。
「アリス、全員からアリスに就任プレゼントがあるんだ、受け取ってくれるかな?」
ハルトはそういうと、大型のアタッシュケースをアリスに渡す。
「船長、これはどんなものでしょうか?」
アリスが尋ねる。
「船長、私の時は何もなかったよねえ、ずるいぞ」
ノバが叫ぶ。
「そうだ、そうだあ」
リリアも同じように騒ぎ出す。
「あなたちはねえ、ハルト船長にケされなかっただけ、感謝しなくちゃね」