#その140 そうそう、その二つだけどね、ちゃんと愛情を注いでみてくれないかな?
#その140
「こちらこそ、ソフィア様に久しぶりにお会いできて光栄です」
「それは、ありがとう。で、今何か困ってる?」
「ソフィア様ならもうお分かりかと思いますが、この宇宙船ルミナ号が攻撃されてしまい、修理もできず、飛ぶこともできず、どうしたものかと考え中ってとこです」
「そう、それはお困りね、で、ハルトさんはどうしたいの?」
「そりゃあもう、この船を直して、攻撃してきた奴をぶっとばしやる、ですかね?」
「ふーん、やっぱりハルトさんもオトコノコなんだねえ。」
「ソフィア様?」
「ハルトさん、なんですか?」
ハルトは思い切って女神ソフィアに嫌味を言う。
「ソフィア様はこの状況を楽しんでますよね?」
「そそ、そんなこと、あるわけ、ナイジャン?」
「怪しいですよ、今だってこっちが困っている様子を見に来たみたいだし・・・」
「ソフィア様、なんか隠してます?」
「ハルトさん、なんでそう思うの?」
「いやだって、いくらなんでも事件が起きすぎますよ」
「宇宙空間で活動していれば事件なんていくらでも起きるんじゃないかなあ」
「ソフィア様、女神様なんだから嘘はいけないですよ」
ソフィアは図星だったのか、ぎくっとしたようだ。どうにも挙動不審である。
「はあ、わかりましたよ。じゃあヒントを差し上げますね」
「はい、なんでしょうか?」
「惑星アルメリアにいたアリスとこの間オークションで落とした箱だけどね?」
「ああ、アリス大統領とあの高価なおもちゃですか?」
「そうそう、その二つだけどね、ちゃんと愛情を注いでみてくれないかな?」
女神ソフィアは突然妙なことを言い出す。
「愛情って・・アリスはあのままリリアのサポートでいいってなったし、箱は開け方わからなくて倉庫に入れてありますよ」
「ハルトさん、それが間違いなのですよ」
「ソフィア様!?」
ハルトは意味不明な女神ソフィアのアドバイスに非難の目を向ける。