#その139 あら、忘れないでもらえてうれしいわ、ハルトさん?
#その139
「ノバ、近くに生命反応はあるか?」
「船長、周囲には生命反応なし」
「ノバより船長、やはりこの星に私たち以外に生物はいないみたいだよ」
「船長よりみんなへ、この惑星には生命はいないみたいだ」
「ルミナより船長、そうですね。でも攻撃されました」
「ノバだよ、もしかするとRAIだけが衛星軌道上に残っていて攻撃したとか?」
「ルミナより、自分も惑星に一人だけ閉じ込められていたからそれもあり、です」
「リリア、どう思う?」
「いきなり攻撃してくる奴はお仕置きでいいよ」
リリアは容赦ない。
「いずれにしても今は少し休憩したい、以上だ」
さすがにハルトは疲れてきている。
「リリア、船内の酸素残量はどうだ」
「船長、十分あります、問題ないです」
「よし、じゃあ、先に食事でもするか?」
ハルトは携帯食糧を取り出す。
それは栄養価の高いもので味もよく人気がある。それを頬張りながら今後の方針を考える。
「これまでゆっくりと遊べたのはIWSの2か所だけで、惑星アルメリアとここ惑星ルクレアは攻撃されてろくなことがないな。女神ソフィア様は異世界宇宙を楽しんでね、なんて言ってたけど、今じゃ万事休すだ。さて、どうしたものかな」
考えてみるもハルトはいい解決策を考案できない。あれこれ、考えているうちにハルトはキャプテンシート上でうとうとしてしまう。
*惑星ルクレア 女神ソフィア顕現
「ハルトさん、こんにちは。」
うとうとしていたハルトは名前を呼ばれて、浅い居眠りから目を覚ます。
「はははい?」
あたりを見回すと、正面モニターに美しい女性が顕現している。
「あっ、お久しぶりです、女神ソフィア様」
「あら、忘れないでもらえてうれしいわ、ハルトさん?」
女神ソフィアは相変わらず美しい。見ているだけで癒される。さすがに女神だ。