#その138 了解です、でもこの星には生命体がいるんですかね?
#その138
「ノバより船長へ、ドローンからの映像送るね」
ノバはドローンのカメラからの映像をハルトの端末に送る。
「これは・・・廃墟だな・・・」
「はい、この星には人が生活している都市はこの近辺には見当たりません」
ルミナが言う。
「そうか・・・」
ハルトはしばし考える。
「リリア、この星で他に都市や人が住んでいる場所はわからないか?」
「船長、いまのところ不明です」
ルミナが答える。
ノバが搭乗しているドローンはすでにかなりの範囲を探索している。しかし生命体の存在は確認できない。するとその時、ルミナより報告がある。
「ルミナより船長、地表に人工物らしきものがあります」
「本当か?すぐに案内してくれ」
「はい、わかりました」
ルミナはノバが搭乗しているドローンの誘導を開始する。
「了解です、でもこの星には生命体がいるんですかね?」
ルミナが言う。
確かにその通りだ。今のところ生反応は確認されていないが、可能性がある以上、慎重に行動する必要がある。
「ルミナ、ドローンの誘導を頼んだぞ」
ハルトは指示を出す。
「わかりました」
ルミナがいう。
ドローンはしばらく飛行してようやく目的地に到着する。そこには確かに人工物らしきものがある。それは小さなピラミッドのような形をしており、かつては宗教的な施設であったのだろうと思わせるものだったが、今は崩れ果てている。
しかしそれでもその形状から何か大きなものに利用された跡があるようにも見えた。そしてそこに近づくにつれてさらに奇妙なものを発見することになる。
それは地面に描かれた巨大な図形だった。それは幾何学的な模様になっており、何かを意味しているようにも見えるが、何の意味があるかわからない。