#その137 撃ちぬかれた右プラズマエンジンの修理はここではできないかな・・と
#その137
「リリア、了解」
宇宙船ルミナはゆっくりと着陸態勢に入る。
そしてほぼ垂直に近い角度で地上に降りていく。着地の瞬間に再び衝撃があり、船体が揺れるものの、無事に地表近くに浮上する。
「ルミナ、近くに隠れる場所はないか」
「船長、前方10k地点に岩山が山脈になっています、そこがよさそうです」
「ルミナ、よし、微速前進、進路前方10k岩山に向かって」
「ノバ、船の操船頼むぞ、地表に落とすなよ」
「ノバより、地表の凹凸をスキャンしながら進むよ」
宇宙船ルミナは慎重に地表をゆっくりと進み、ドーム状になった岩山になんとか着陸する。
「ノバより船長、着陸完了!」
「ハルト船長、なんとか到着しましたね、まずは周囲を調査しましょう」
*惑星ルクレア 不時着
こうして宇宙船ルミナスはかろうじて惑星ルクレアに着陸する。そこはかつて栄えた都市の廃墟らしい。地熱が高くて生物はいそうもない寂れた大地である。果たしてハルトたちはこの星で何を見つけることができるのか?
「船長より総員へ、全員無事か?」
「リリア、大丈夫」
リリアが答える。
「ルミ姉、私も平気だよ」
ノバが言う。
「船長、私は大丈夫です。でも船体損傷のため修理が必要です、どうしましょうか」
いたって冷静なのはルミナだ。
「ルミナ、船体の修理方法と期間は?」
「船体の修復は10日ほどでできると思いますが・・・」
「が・・?」
「撃ちぬかれた右プラズマエンジンの修理はここではできないかな・・と」
「そうか、うーん、どうするかなあ。ノバ、ドローンを使って周辺の偵察を頼む」
「ノバ了解、ドローンで周辺の状況偵察をやってみるね」
ノバは後部格納庫より偵察ドローンを発進させる。ドローンは最初はゆっくりと周囲を飛行し、徐々に偵察範囲を広げる。