#その134 わかったよ、地表に降下してみよう。ルミナ、頼む
#その134
「ノバ、それで宇宙ステーションもないのか」
「ノバより、探しているけど、ないよー」
「ルミアより船長、地表に着陸を試みますか」
「宇宙船ルミアはその地表温度に耐えられるのか?」
「船長、大気圏突入温度に耐えられるんだから全く問題なし、です」
「わかったよ、地表に降下してみよう。ルミナ、頼む」
「ルミナ了解、ノバ、地表までの操船を任せてもいい?」
「ルミ姉了解、ノバにお任せあれ」
宇宙船ルミナスはノバの操船により惑星ルクレアへ降下を開始する。
「ルミ姉、まずは高度100キロ地点に降下でいい?」
宇宙ステーションがなくても普通は地表に人が住んでいる。
しかしここの地表温度は高すぎるため、人はほとんど住んでいないかも、と想像できる。
「ルミナよりノバ、それでお願い」
宇宙船ルミアはノバの操船によりゆっくりと高度を下げる。
「船長よりルミナ、大気の組成はどうだ?」
「船長、大気は窒素90%、酸素5%です。ハルト船長みたいな人間は生身ではちょっと息苦しいかもしれないです、それと地表の気圧は1.5気圧です。宇宙服を着ていないとちょっとしんどいかもですね」
ノバは大気圏突入の際に船体に掛る負荷を解析し、報告する。
「ルミナより船長へ、惑星ルクレア地表の建造物はほぼ崩壊しているようですが、都市らしき場所があります」
「ルミナへ、じゃあ着陸地点としてその都市の上空を目指そう」
宇宙船ルミナは砂の惑星ともいえるルクレアに向かって降下を開始する。
「船長、地表に接近、大気がかなり熱せられているよ」
「ルミ姉、気流もひどいね。高度落とすから気を付けてね」
ノバは宇宙船の降下速度をゆっくり落としていく。そして低空まで降りたところで停止させる。すると惑星表面の様子が見えてくる。砂漠地帯には所々に植物や水があるものの、都市らしき場所はほとんど崩壊しているように見える。
「船長、着陸しますか?」
「いや、もう少し様子を見よう。この星に人が住んでいるか確認したい」
「了解です、ルミ姉、高度を下げて都市らしき場所の上空を旋回して」