#その126 *IWS2のプラネタリウム
#その126
「色々ありがとうございました」
ハルトが礼を言うとAIの女性は笑顔で答える。
「いえいえ、こちらこそ楽しかったですよ!またお会いできる日を楽しみにしていますね!」
そう言ってAI女性は手を振る。ハルトたちも手を振ってお別れをする。
「じゃあルミナ、ノバ、リリア行くよ」
ハルトたちはちょっとレトロな案内所を後にして、インターワープステーション2IWS2の中を散歩する。
途中何度もAIと思われる女性が挨拶をしてくれる。特に困っていることはないが、何かあれば相談するように言われる。そして一通り見学を終えた後、ハルトは宇宙船ルミナに戻る。
「よし、今日はこのくらいにしておこう」
ハルトは言う。するとルミナが答える。
「船長、まだ時間がありますので少し寄り道しませんか?」
「そうだね、ルミナが行きたい場所があればそこに行こう」
今度はノバが言う。
*IWS2のプラネタリウム
「ねえねえ、ハルトさん、あれ見て!」
そこにはガラス張りのドーム状の建物がある。どうやらプラネタリウムのようだ。
「へえ、面白そうだな」
ハルトは言う。
「うん!行ってみようよ!」
リリアも乗り気だ。
そして一行はプラネタリウムに入ることにする。中は薄暗く、座席シートに座るとすぐに上映が始まる。それは宇宙旅行をテーマにした物語だ。
地球という惑星に住む人類は科学技術を発展させて、宇宙への長旅に出発する。その旅を進めるうちに、搭載しているコンピュータが意思を持ち始め、乗組員といさかいを始める。
激論の末に和解した人類とコンピュータが力を合わせて苦難を乗り越え、新しい惑星の発見に成功するというストーリーが星の動きと共に上映されて実にきれいである。
「わあ、綺麗!」
リリアが声を上げる。
「本当だな」