#その125 これはこれは、可愛らしい乗組員さんたちですね
#その125
メインストリートのはずなのに、建物もまばらで緑が多く感じられる。ハルト達は周囲を見回しながら進む。しばらく歩くと、ようやく街並みが現れる。ハルトが元居た世界の役所のような建物に入ってみる。
そこでは一人の女性が受付をしている。その女性は白いワンピース姿で小さな麦わら帽子をかぶっている。年齢は20代前半くらいだろうか?とても美しい顔立ちをしている。彼女は微笑みながら話しかけてくる。
「こんにちは、私はIWS2の管理AIです、お名前をどうぞ」
ハルトは思わず見とれてしまったがすぐに我に返る。
「あ、これは失礼しました!私は宇宙船ルミナ船長アマギ・ハルトです、こっちは乗組員のルミナ・サンシャード、ノバ・アストラ、リリア・オパリナです」
「これはこれは、可愛らしい乗組員さんたちですね」
「ありがとうございます」
「ここは入場審査などという堅苦しいものではなく、このステーションの案内所なのです。とりあえずはここを拠点として活動し、困ったことがあれば相談して頂ければお力になれると思います」
「わかりました、よろしくお願いします」
ハルトは頭を下げる。
どの宇宙船も長時間の宇宙飛行の果てにたどり着く宇宙ステーションなので、おもてなしが主になっている感じをハルトは受ける。
「こちらこそよろしくお願いいたします。ではさっそくですが、まずは食堂にご案内しましょう!」
AIの女性は元気よく立ち上がるとハルト達を食堂まで案内する。食堂には様々なメニューが表示されているフードコートがあり、料理を自由に選べるようになっている。AI女性が注文をしてくれる。するとすぐに料理が出てくる。
「さあどうぞ召し上がれ」
と言ってAIの女性は微笑む。
ハルトたちは席に着くと料理を堪能する。どれもこれも美味しいものばかりだ。ハルトは食事を楽しみながらAIの女性と話をする。
「このIWS2はとても素晴らしいですね、自然が多くてとても居心地がいいし、料理も美味しいです」
「ありがとうございます!」
AIの女性は嬉しそうな笑顔を浮かべる。ハルトたちが食事を終えるとAI女性は再び案内を続ける。そして一通り見学を終えた後、AI女性に別れを告げる。