#その124 なんだか私がずいぶん怖い女のように聞こえますが
#その124
「さあ、ステーションを探検に行こうか、みんな準備してね」
「船長、ここは全員で行けるのですか?」
珍しくルミナが興奮している。
「ああ、みんなこの船になじんだから、船から離れてもリモート監視で十分だよね。だいたい、宇宙船ルミナに押し入ろうなんて命がいくつあっても足りないからなあ」
「なんだか私がずいぶん怖い女のように聞こえますが」
ルミナがぷんすこと怒っている。でもみんな一緒に上陸できるのはとてもうれしいようだ。
「宇宙船ルミア船長よりインターワープステーション2へ、我々は本船に異常がないことを確認した。これよりIWS2に上陸する」
ハルトは通信を送る。
「IWS2より、了解しました。IWS2の名物などをお楽しみいただけるとうれしいです」
「ありがとう」
そう言うとハルトは宇宙船ルミナの後部ハッチを開く。そしてIWS2内に向かって歩き始める。その横をリリアを抱っこしたルミナとノバが寄り添う。ルミナとノバは等身大になっているので、ハルトはまるで美女とケモ耳を引き連れた女たらしのように見える。
「ハルト船長は今日もどこぞの女を引き寄つける匂いまんまんだね」
リリアがハルトの耳元でささやく。
「え?でもルミナもノバもリリアも可愛くてきれいな女性だよ?俺にとっては三人いれば十分だよ」
ハルトが言う。するとリリアはいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「まあそうだけどさ、なんか違うんだよねー」
「何が違うの?」
「うーん、うまく説明できないけど・・・」
言いながらリリアは首をかしげる。
「まあいいや!早く上陸しようよ!」
そう言うとノバはハルトの腕を取る。
「わかった、わかったから引っ張るなよ!」
こうして一行はIWS2インターワープステーション2に上陸する。
I WS2の入場ゲートをくぐると、そこは一面青い世界が広がっている。ここが宇宙ステーションであることを忘れてしまうほどの青空だ。