#その113 ある筋から厳命されまして、いたしかたなく発砲した次第です
#その113
「了解!目標確認、量子プラズマキャノン発射準備よし」
「ノバよりリリア、キャノンかっこいいねえー、しびれちゃうねー」
「ノバ、ありがとっ。」
「リリアより船長、エネルギー充填完了、量子プラズマキャノン発射準備完了、船長どうぞ」
「リリアへ、量子プラズマキャノン、撃て!」
「発射!」
リリアの掛け声とともに宇宙船ルミアから巨大な光の束が放たれる。その光束はデブリに直撃し爆散、デブリを消滅させる。
「ルミアより、デブリの消滅を確認しました」
「ルミアへ、宇宙ステーションとの通信回線を開け」
「ルミアより船長、通信回線オープンします」
ハルトはあーあーと発声練習してから話し出す。
「宇宙ステーション聞こえますか、こちらは宇宙船ルミア船長、アマギハルトです」
しばらく沈黙の後、宇宙ステーションより返答がある。
「こちら宇宙ステーション、宇宙船ルミナどうぞ」
「ステーション、惑星アルメリアの重力から無事生還することができましたよ」
「ステーションより船長、それはおめでとうございます」
「ステーション、それだけですか」
「・・・・・」
「次はステーション中心部に今のキャノンをぶち込むこともやぶさかではないですよ」
「ステーションよりルミア船長、その際には失礼しました。当ステーションもルミア号を惑星地表に案内するようにある筋から厳命されまして、いたしかたなく発砲した次第です」
「ステーション、まあそういうことにしておきましょう」
「アマギ船長、信じていただき、ありがとうございます」
「ルミア船長よりステーションへ、当船はこれより次の寄港地に向かうが、当船が次にこのステーションに寄った際には無料の補給を約束して頂きたい、それとこの後当船を追尾しないことを誓って欲しい」
「ルミア船長、全て承知した。これより契約書を送信させて頂く。これで勘弁して欲しい」
「ルミア、契約書を確認してくれ」
「船長了解、これは・・・慰謝料としてこんなにたくさんのお金が支払われますよ」
「どれどれ」