#その105 *惑星アルメリア 中間ドックのバカンス
#その105
「ルミナより船長、でも常にエネルギ-満タンというわけではありません」
「ルミナへ、じゃあどうやってエネルギーを得るんだ?」
「今までのように量子プラズマジェネレータを使って、宇宙空間から量子プラズマを取り込み、エネルギーに変換します
「そうか、ソーラ発電のようにエネルギーを得るまでには時間がかかるということでいいのかな」
ハルトにとっては技術的な説明の理解は難しいことの一つだ。
「そうです、そんなわけで今、量子プラズマジェネレータをフル稼働して、エネルギー充填中です。何もできないので、明日一日はこのままバカンスってことでどうでしょうか?」
ハルトは最近まとまった休みをとってないことを思い出す。このままでは宇宙船ルミナはブラック企業になってしまう。
「わかった、そのまま充填を継続してくれ。」
「アリス大統領、そんなわけで今日はもうやることがないから、そろそろお開きでどうでしょうか。」
「ハルト船長、わかりました。お食事はそちらのテーブルにあるので、ご自由にお食べください。お休みはドックの奥が寝室になっているので、こちらも適宜お使いください。」
「アリス大統領、ありがとう。ではまた明日。」
アリスはまだ心残りがあるようであったが、ハルトの笑顔に見送られて姿を消す。アリスの退場を確認するとようやくハルトはルミナに話しかける。
*惑星アルメリア 中間ドックのバカンス
「ルミナ、ようやく我々だけの時間になったよ」
ハルトとルミナはテーブルを囲んで、夕食の真っ最中だ。
ハルトはがつがつと食べているが、ルミナはそんなハルトの様子をにこにこしながら見ている。ノバとリリアはドック内鬼ごっこに夢中のようだ。ルミナはせっかくハルトと二人きりになったというのに機嫌が悪く、ぷんすこ状態である。
「ハルトさん、アリス大統領がちょっと可愛いからってデレデレするから・・・」
「いや、ルミナな、そんなことは決してないぞ」
そんなことを言いながらぷんと口をとがらせて、むくれているルミナは本当に可愛らしい。
「さて、せっかく寝室を用意してくれたことだし、今日はもう寝るよ」
ハルトはそういうと、ルミナの顔をじっと見る。
「ハルトさん、おやすみなさい。」