#その103 #宇宙船ルミナⅡ紹介
#その103
宇宙船ルミナは空間ドックの入口ゲートをくぐり、ドック内に進入する。かつては大小さまざまな宇宙船を収容して、にぎやかにドックが稼働していたことを彷彿させるが、今はがらんとしている。
この惑星の重力に異変が生じ、空間ドックにたどり着ける艦船がいなくなったのは本当のようだ。
「ルミナより船長、ドックから固定する方法とそのタイミングが送られています。これでいいですか?」
「ノバ、周囲の状況はどうだ?」
「ノバより、特に危険なことはないよー」
「リリア、どうだ?」
「リリアも特に感じないー」
「ルミナへ大丈夫そうだ、船をドックに固定してくれ」
「ルミナ了解、宇宙船ルミナはドックに固定、動力はアイドリングに移行します」
「ルミナより船長、固定完了です」
「よし、ドックに降りるぞ」
ハルトはそういうと、久しぶりに簡易宇宙服を着用し、圧力室に入る。
室内と外部の気圧を合わせると、気圧はほぼ1気圧、地球と似ているようだ。外に出たとたんに体中の血液が沸騰することもなさそうなので、後部デッキのゲートをドックに下げる。
完全に下がったところで、まずはゲートを歩いて下船し、ドックに降り立つ。ハルトの周囲にはルミナ、ノバ、リリアの3Dビジョンが付き従う。
#宇宙船ルミナⅡ紹介
外から見ると、宇宙船ルミナⅡはⅠに比べると倍以上の大きさになっているのがわかる。船体色は白で、シャープな船首がなかなかかっこいい。
立派なツインプラズマらしいエンジンが後部に装備されている。火器は細身の銃身を持つライフルのみなのがやや心細さを感じさせる。
「ハルト船長と宇宙船ルミナ乗組員のみなさん、ようこそ空間ドック、アマリリスへ」
3Dアリス大統領がひょこっと現れて、ハルトたちに頭を下げる。
「ハルト船長、この度はご迷惑をおかけしました、また無理なお願いを聞いていただき、本当にありがとうございます」




