#その102 *惑星アルメリア 空間ドック
#その102
「ハルト船長、なにか?」
「いや、なんでもないです、はは・・」
「ルミナよりハルト船長、それでは命令を」
ハルトは気を取り直して、出航命令を発令する。
「宇宙船ルミナ、空間ドックに向けて出航する。総員配置に付け」
「了解!」
ルミナとノバが元気よく返事をする。宇宙船ルミナは、ゆっくりと惑星アルメリア宇宙港の屋根を離れて、大空へテイクオフする。
「ルミナより、アリス大統領へ報告、これより空間ドックに向かいます」
「アリスより了解です、では私もそちらに向かいますね」
「え?いや・・・」
「だって、私だけここに置き去りですか?」
「そんなこと言われてもなあ」
「大丈夫です、こう見えて私かなり強いですから」
そういうとアリスは腰に下げていたレーザーガンを抜いてみせる。
「わ、わかった、じゃあ空間ドックで落ち合いましょう」
アリスの言葉を聞いてハルトはにやりと笑い、ルミナはハルトとアリスの接触を苦々しく思う。
宇宙船ルミナは途中、特に妨害もなく、指定の空間に到着する。そこには大きな空間ドックが威容を現している。文字通り空中に浮いている。
こんなすごい施設があるのに、この星から出ることができないなんて、信じれらない。この技術を今のアルメリアでは活かすことができないのだ。今この瞬間に地表を離れて活動できるのはミサイルか宇宙船ルミナくらいらしい。まるで何かの呪いのようだ。
*惑星アルメリア 空間ドック
「ルミナより船長、空間ドックからの誘導ビーコンを受信しました」
「ノバへ、ビーコンに従って、ドックインしてくれ」
ノバは誘導ビーコンにシンクロしてドックから伸びているレーザーラインに沿って航行する。人工物の空間ドックはそうは言っても入口は狭く小さく、操船ミスは許されない。
「ルミナより船長、空間ドックに入港します」
「ルミナへ了解、接触しないように慎重にやってくれな」