#その100 【挿絵】アリス しかもとびっきりの美少女である
#その100 【挿絵】アリス
ハルトは少しだけ語気を強める。
「本惑星アルメリアの軌道ステーションは正体不明の宙賊に乗っ取られてしまい、宇宙空間に出ることができなくなってからもう10年になろうとしています。」
「取り返せばいいじゃないか」
「それがこの惑星の重力を振り切って宇宙にでることがなぜかできなくなっているのです」
「それで?」
「そのために宇宙に向けて攻撃することができず、せいぜい迎撃することでしのいでいるのです」
「宙賊の狙いはなんですか?」
「おそらくこの星のどこかに眠っているロストテクノロジーだと思われます」
ははーん、ここにも何か隠されているか、それは楽しみだ。
ハルトはこっそりほくそ笑む。ハルトがにやにやしているとルミナが小声で話しかけてくる。
「ルミナより船長、それって、RAIじゃないですかね」
「ルミナへ、俺もそう思う」
アリスには聞こえないようにルミナと盛り上がる。
「アリス大統領、そのロストテクノロジーはどんなものですか」
「1000年も前のことなので、はっきりしたことはわかりませんが、世界を改変する力がある、とだけ、この惑星に伝わっています。」
「それで我々には何を?」
喧嘩を売っておいて、それは実はあなたがたの実力を見極めるためだったのです、ってどこの世界のお話だよ、とハルトは脳内でセルフ突っ込みに忙しい。
「そのロストテクノロジーを宙賊が見つける前に探して出して欲しいのです」
「見つけたらどうすればいい?」
「この惑星にあってもきっと持て余すことになる私たちには過ぎた力なので、あなたがたにそのまま差し上げます。利用するなり壊すなり好きなようにしてください。これだけの技術力を持つあなた達なら使いこなせるかもしれません。ただし、ここから離れた場所でお願いします」
「アリス大統領、わかった、その条件で引き受けよう」
ハルトはそいうとアリスに右手を差し出す。
「ハルト船長、助かります、ありがとう」
アリスはそういうと、モニターにようやく自分の姿を投影し、正体を見せる。
握手をするために右手を差し出すそこに映し出されているアリスの姿は、地球でいえば高校生くらいの若さだ。しかもとびっきりの美少女である。
アリス・フレッチャー