memory8.運動会
運動会当日、昨日の夜仕込んでおいたおかずとおにぎりを作る。
「できた」張り切って作り過ぎたかもしれないが、何より裕貴君に喜んで欲しい。
「忘れ物はなし!」
修司さんと早めに向かったがすでに場所が埋まり始めている。
「葉月、こっち空いてるよ」
「うん…」そしていつもの光景。
「あら、イケメンじゃない」
「どちらのクラスですか?」
「写真お願いします」
「良かったらここ空いてますよ」
『あの人が奥さん?』
『うらやましい』
ハイハイ、聞こえてますよ。皆さん、お子さんを見なくて良いんですか?
「…続いては2年生による徒競走です」
「裕貴君の番ですね」
「はい」
「よーい」パンッ!
「裕貴ー!頑張って」
惜しくも2位だった。あとは他の子達の写真も忘れずに。
その後も競技が続き、お昼ご飯となった。
「お昼ご飯食べて、午後の競技も頑張ってね」
「うん!」
「わー!裕貴君のお弁当すごーい!」
「本当だー!美味しそう」
同じクラス?の子が話しかけてくる。それはもう張り切って作りましたからね。
「葉月のご飯はいつも美味しいけど今日は特別美味しいよ。ねえ、裕貴」ニコッ。国宝級スマイルいただきました!
「うん!」裕貴君も喜んでくれた。よし!
「午後は保護者も参加するみたいですね」
「俺、走れるかな?」
「大丈夫ですよ。応援してますから!」
「お父さんファイト!」
裕貴君も応援してくれた。
「…次は保護者参加の借り物競争です」
借り物競争か。懐かしいななんて思っていたら始まるところだった。
「よーい!」パンッ!修司さん、結構速い。
「裕貴パパ頑張ってー!」
「かっこいいわぁ」自分達の家族は良いのだろうか?そう思っているとお題の紙を修司さんが取ると少し考え、私の方に向かってきた。「一緒にお願いします」と言われ、連れて行かれた。
ゴールに向かって走って行くと先生が確認する。「ゴールです」何と1位!
「やりましたね!」ん?修司さんの様子がおかしい。照れていて顔が赤く見える。そこでお題の紙を見てみると「一番好きな人」と書かれていた。これは…。何だか私も照れてしまう。金メダルをもらって戻っても照れて話ができない。先に口を開いたのは修司さんだった。
「すみません。俺、迷惑でしたよね?」
「いえっ、全然」
「裕貴君でも良かったのに、一番始めに浮かんだのが葉月さんだったので」
「だ、だ、大丈夫でしたよ。ああ、えーと、次は私の番なので行きますね」
「続いての保護者参加の競技はコスプレリレーです」
「コスプレ?」出てきた葉月は…メイド服だった。「葉月!?」遠くでも分かる位、すごく照れている。「普段走る事なんてないから」と言っていたけどコスプレ!?
第一走者が走り始めた。葉月は第二走者、バトンを受けとるとスカートに構わず走る。難なく第三走者にバトンを渡す。他の保護者からは「メイドの人可愛い」
「あの人可愛いな」などと聞こえてくる。
それを聞いていると何故かモヤモヤしてくる。葉月が戻ってきた。結果は2位、銀メダルを提げていた。
「疲れました~」
「お疲れ様、葉月」
「お母さんかっこよかったよ!」
「良かったー。でもコスプレはしたくなかった」まだ照れている。あとは学生による競技があり赤組の優勝。残念ながら裕貴君の白組は僅差で負けてしまった。
帰りの車で落ち込む裕貴君。
「負けちゃった」
「でもすごいじゃないメダル何個も取れたよ」
「うん…」
「そうだ、今日はお疲れ様会という事で外で食べましょう」修司さんの提案により外食する事となった。




