人間じゃない。
ちょっとていうか、けっこー短いです。
結局。俺は、今の自分に違和感すら抱けなかった。
つまりは、化け物。
「・・・・・・・」
でも、それだけだった。喉が干上がったけど、心のどこかで全く動揺しない自分がいる。
まるで、
『そんなの当たり前だろう?』
そう考えるもう1人の俺がいるようで、きもちが悪かった。
しかし。それすらも、心のどこかで全く気にせず、動揺しない自分がいた。
「でも・・・・・・・俺に、超能力なんか、ないだろ・・・・・・・?」
それでも、自分は化け物じゃない、と思う自分もいた。
けれど、神原はそんな俺の気持ちを難なく、ぶち壊した。
「だから言ったでしょう?これだけの災害で。何故。あなたは傷一つないのか。と。・・・・・・・・認らないのなら、証明しましょうか」
そう言うと、神原は一瞬で俺から20メートルほど離れた場所に移動する。
そして、足元に落ちていた野球ボールを俺に向かって投げた。正確には俺の頭めがけて。ゆうに時速200キロは出ているであろう剛速球を。
それだけの速さのボールをたった20メートルの近距離で投げられれば、避けることはおろか、頭を守るために両手をかざすことも出来ない。
このままなら頭蓋骨を粉砕して即死だろう。
けど。けれど。しかし。けれども。それなのに。そのはずが。それが。
野球ボールは俺の2メートル前で、『消滅』した。
消え去ったとでも、消去されたとでも、無くなったとでも、言い表せる。
そういえば、俺の周囲2メートルには、なぜか瓦礫が全く無かった。
唖然としていた俺の元に、神原は戻ってきて言う。
「わかったでしょう?これで。あなたは」
そこで言葉を切って。
「人間じゃない」
おそらく。この言葉で、俺は崩壊したのだろう。
人間として。
GWだと暇なのでけっこー書けます。って言っても今日で終わりだけれども。